北海道夏季特集

総合 2019.11.23
北海道夏季特集

 メディアをはじめ新元号の話題で持ちきりとなり、お祝いムード一色に飾られた改元の日本。そんな令和も、はや4ヵ月が過ぎようとしている。ゴールデンウイークを挟んだ10連休で幕開けした5月、旅行や外食需要は高まったものの、日常の食を支える食品スーパーなどは、ほぼ例年通りの売上げでスタート。食品業界全体は仮需に沸いた4月の反動もあってやや勢いを欠く始動となった。そして迎えたこの夏。北海道は6~7月中盤まではすっきりしない天候が続いたが、7月下旬から待望の暑さが到来。札幌では7月29日から8月7日まで10日連続真夏日となり、1951年以来、68年ぶりの記録的酷暑に見舞われた。
 211万人の観客を動員した第28回YOSAKOIソーラン祭りで初夏の6月を彩った札幌では、夏の風物詩・さっぽろ夏まつり大通ビアガーデンが7月19日から開幕。8月14日の閉幕まで市民や観光客の喉を潤した。期間中の来場者も116万9000人、ビール消費量は44万1266Lでいずれも前年比10%増を上回る伸びとなり、猛暑効果絶大。小売店頭では、アイスや氷菓、飲料、乾麺、涼味麺、つゆ、果実類など前半低調だった夏物商品も一気に息を吹き返した。「7月不調も、後半からの記録的な暑さで夏物関連が挽回、7~8月の2ヵ月の売上げは前年を上回る見込み」(食品卸)など、多くの企業にフォローの夏風が吹いた。
 経済産業省北海道経済産業局調べによる道内スーパーの6月販売動向では、昨年同月より日曜日が1日多かった関係で全店ベース2%増、既存店ベースでも0.1%増と前年超え。また、全店ベースだが、コンビニエンスストアは前年比1.1%増、ドラッグストアは同5.6%増と好調をキープ。百貨店は、夏物衣料の不振などで2.2%減となり、小売業態による明暗が分かれた。3大勢力を軸にシェア争いが激しい食品小売マーケットでは、新システム移行に注力するアークス、店舗事業の黒字化を積極推進するコープさっぽろ、来年3月マックスバリュ北海道との統合を控えるイオン北海道と、各流通グループはそれぞれの生存戦略を鮮明化している。既存店売上高は堅調に推移しているようだが、10月の消費増税がどう影響するか不透明な雲行きだ。
 秋の天候も気掛かり。札幌管区気象台が8月23日に発表した道内の3ヵ月予報(9~11月)では、気温は高め、降水量は平年並みか多めの見込みとしている。収穫本番を迎える農作物の成育はおおむね順調に推移しており、豊穣(ほうじょう)な秋を願うばかりだ。
 また北海道は昨年、9月6日発生した胆振東部地震とそれに伴う大規模なブラックアウトで食品流通業界は大混乱、商戦序盤で出ばなを折られた。缶詰やレトルト、飲料などの備蓄関連食材は特需で高まったが、多くの企業が製造、出荷、配送に大きな影響を受けただけに、今年挽回に期待する思いは強い。10月からの増税も控え、軽減税率対象外の酒類など業種によっては駆け込み需要が見込まれるほか、今後の消費マインドに及ぼす影響も懸念される。例年とは趣も異なる今秋商戦、令和新時代を切り開く知恵と戦略を磨き、盛り上がりを見せてほしい。(長島秀雄)