ビスケット特集

菓子 2019.12.18
ビスケット特集

 ◇自然災害多発で価値評価
 ビスケットの19年1~9月生産数量は18万4417tで前年比3.2%減(食品需給研究センター公表)となった。減産要因は複数ある。一つは、3月に発生した宇部興産が製造する膨張剤に金属異物が混入している可能性が判明したことを受け、一部メーカーが製品の自主回収を行った影響を受けたため。全国ビスケット協会では、対応策として会員の資材担当者などで構成する連絡会議を協会内に設置。他の資材にこうした脆弱(ぜいじゃく)性を抱えるものがあるかの確認を開始。さらに企業レベルの資材在庫量の調整や複数調達先の確保、会員企業間での資材融通などの対策を実施した。
 また、原材料や物流コスト増への対応として一部メーカーが実施した内容量の減量や値上げも影響した。10月の消費税が8%から10%に引き上げられたことも影響。ビスケットも当然、軽減税率の対象となることから影響は少ないとみられたが、9月以降のスーパーマーケットのエンドでの特売が日用雑貨などに「奪われる」ことになり、特売頻度の高いビスケットは影響を受けた。消費増税が消費者の購買行動に与える影響はあり、消費の冷え込みが顕在化するなど逆風が吹く中、市場は最需要期に入った。(青柳英明)