寒天特集
冬場の天然製造が山場を迎えている寒天業界。今シーズンは、「何年かぶりの恵まれた天候」(長野県寒天水産加工業協同組合・五味徳雄組合長)で、順調な製造作業が進んでいる。一方で、需要は新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、原料用途で大きなウエートを占める和菓子ニーズの停滞などで苦戦。内食化の追い風を受ける家庭用では、粉末寒天をベースにしたデザート製品などが順調な売れ行きを見せているが、業務用関連のダメージは大きく、川上と川下で寒暖差がくっきりと分かれている。
製造現場に安堵(あんど)感をもたらしているもう一つの要因が、寒天の原料海藻、原藻価格の下落。テングサ科原藻の20年1~11月期輸入量は、コロナ禍に伴う製品需要の停滞などで前年同期を16.1%下回り、10kg当たりの平均価格も10.9%下がった。実際の取引では「2~3割は安い」(五味組合長)相場で動いており、国産天草の価格も製品需要の低迷でダウン。17~18年をピークとした原藻高騰は落ち着きを取り戻し、今後さらに安値へ進むと期待されている。
コロナ禍で大きく変化した需要の形。トップメーカー・伊那食品工業の塚越英弘社長は、「原料素材としてだけでなく、寒天そのものをおいしく、楽しく、健康的に食べられる商品づくりが鍵」と話す。アフター・コロナの出口はいまだ見えないが、伝統に多彩な物性開発による先進性、豊富な食物繊維がもたらす機能性など、さまざまな価値を併せ持った“ニューノーマル”へ、寒天は進化を見せ始めている。(長野支局長=西澤貴寛)
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◆寒天特集:寒天“ニューノーマル”へ 伝統に先進機能で価値多彩
水産乾物・塩蔵他 特集 2021.01.29冬場の天然製造が山場を迎えている寒天業界。今シーズンは、「何年かぶりの恵まれた天候」(長野県寒天水産加工業協同組合・五味徳雄組合長)で、順調な製造作業が進んでいる。一方で、需要は新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、原料用途で大きなウエートを占…続きを読む
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寒天特集:日常的に寒天 需要創出へ商品多様化
水産乾物・塩蔵他 特集 2021.01.29「日常的に食べてもらえる寒天。こうした商品を今後、さらに開発していきたい」と話す、伊那食品工業の塚越社長。 「コロナ禍による内食化で、粉末寒天を使った手作りデザートの手軽さ、楽しさなどが消費者に再認識されているが、こうしたシリーズ以外に惣菜的な提案…続きを読む
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寒天特集:伊那食品工業 時流に合わせブラッシュアップ
水産乾物・塩蔵他 特集 2021.01.29●「かんてんクック」粉末から顆粒へ 「時流に合った寒天へ、どうブラッシュアップしていくか」。寒天のトップメーカー、伊那食品工業の塚越英弘社長は、需要開拓の鍵をこう話す。「良い物を使いたい、本物がほしい。でも、面倒はいや。こうしたユーザー層の拡大に対…続きを読む
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寒天特集:伊那食品工業 「かんてんパパ認定栄養ケア・ステーション」を開設
水産乾物・塩蔵他 特集 2021.01.29伊那食品工業は昨年11月、長野県内で初の認定栄養ケア・ステーション(CS)、「かんてんぱぱ認定栄養CS」を伊那市の同本社内に開設した。管理栄養士らが常駐し、バランスの良い食事や適度な運動のチェック、指導などを行う。「地域が誇る『健康長寿』の支えは食」…続きを読む
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寒天特集:原料動向=テングサ科原藻輸入量、20年(1~11月)は16.1%減
水産乾物・塩蔵他 特集 2021.01.29◆製品需要低迷で調達鈍化 財務省貿易統計によると、20年1~11月のテングサ科原藻輸入量は1367tで、19年同期を16.1%下回った。1500tを割ったのは、14年の1358t以来。製造各社の原藻在庫が一定の水準を満たしている中、コロナ禍や暖冬に…続きを読む
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寒天特集:森田商店・森田庄次社長に聞く コロナの影響で天草価格ダウン
水産乾物・塩蔵他 特集 2021.01.29「昨年は新型コロナウイルスで天草の市況にも大きな影響があった」という森田商店の森田庄次社長に話を聞いた。(文責・西川昌彦) ◎‥20年は11月19日の第3回入札会(東京都)で終了したが、1年を通して異常な年となった。全国の生産数量は、入札数量と入札…続きを読む
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寒天特集:長野県寒天水産加工業協同組合、新事務所が完成
水産乾物・塩蔵他 特集 2021.01.29長野県寒天水産加工業協同組合の新事務所=写真=が、昨年12月15日に完成した。隣接する国道20号線の拡幅工事に伴った現地建て替えで、五味徳雄組合長は「寒天の新たな情報発信、地域振興の場にしたい」と話している。 建物は、延べ床面積79.2平方mの木造…続きを読む