中華まん特集

2021.10.13
中華まん特集

 2020年の中華まん市場は約600億円程度の市場規模になったもよう。19年の626億円から減少した。コロナ禍に伴う外出自粛で家庭内での消費が活発化した冷凍中華まんは、利便性、簡便性、保存性から大きく売上げを伸ばした。一方、コンビニエンスストア(CVS)のカウンターで加温販売する中華まんは、コロナ禍の影響を受け、CVSが都市型店舗を中心に苦戦したことや新型コロナウイルス感染が拡大する中、包装されていないものを購入するという生活者の心理的なハードルが影響し苦戦した。
 21年の市場は、シーズンインとなる9月の気温が低温で推移したことが追い風となり、9月単月の売上げは好調に推移した。10月1日の大型台風とその後の高温で10月の滑り出しは苦戦した。CVSの店舗増加や食事代替・おやつなど食シーンの拡大で14年に580億円だった市場規模が17年は670億円に、18年は680億円と順調に市場を拡大してきたが、19年は高温の影響で市場は踊り場を迎えた。20年もコロナ禍の影響を受け、売上げのボリュームが大きいCVSの加温が苦戦し市場全体は停滞した。一方、コロナ禍に伴う巣ごもり需要では「1食完結型」で保存性も高く、利便性、簡便性に優れるという冷凍中華まんの価値が再評価された。さらに、テレワークの増加などで、冷凍カテゴリーで競合する冷凍ピザ、冷凍麺、冷凍米飯などに比べ、ワンハンドで皿を汚すことなく、仕事をしながらでも食べられるという価値が多くの生活者に認められた。(青柳英明)