9月10日。今日は苦汁(にがり)の日
9月10日は赤穂化成株式会社が制定した苦汁(にがり)の日。日付は苦汁を別の読ませ方をしたときの語呂合わせに由来する。
にがりとは何なのか
豆腐製造に必須の添加物で、豆乳を凝固させ豆腐に固める目的で使用される。豆乳と二価の金属塩または酸の反応で凝固する凝固剤を使用する。塩化マグ ネシウム(MgCl26H2O)いわゆるにがりは海水を濃縮し得られるものであるが昭和32年に食品添加物に指定され純度95%以上の白色と規定されているが、現 在は食塩が多く純度の低い粗製海水塩化マグネシウム(塩化マグネシウム含有物)も規格基準ができ使用されている。にがりは溶解度が高く水溶液100%イオン化され豆乳にいれて瞬時に豆腐反応するため、にがりに油脂と総乳化剤を加え乳化させ反応を抑えた乳化にがりが使用量を伸ばしている。硫酸カルシウム(CaSO42H2O)いわゆる石膏は溶解度が低く豆乳に添加後反応が緩慢で凝固に30~60秒ほどかかり均質で保水力のある豆腐となる。昭和40年前後に使用が開始されたグルコノデルタラクトンは豆乳に添加後に糖が加水分解され酸となり凝固が行われ硫酸カルシウムよりもさらに緩慢な反応で主に絹ごし豆腐に使用されている。にがりは風味・硫酸カルシウムは弾力・グルコノデルタラクトンは作りやすさと3 種の凝固剤の特性を生かし混合使用される場合が多いが、現在は豆腐の風味が向上するにがりを100%使用した豆腐が増加している
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:林 弘通 ))