こうや豆腐特集

こうや豆腐特集:褥瘡治癒促す可能性 こうや豆腐普及委員会が発表

農産加工 2019.06.05 11888号 05面

こうや豆腐メーカー5社でつくる、こうや豆腐普及委員会は5月22日、長野市で会見し、こうや豆腐の摂取が寝たきりなどで発生する皮膚の病変、褥瘡(じょくそう)の治癒を促す可能性があると発表した。

同委員会などは、人工的に褥瘡を発生させたラットにこうや豆腐を与え、治癒までの経過を調査。この結果、こうや豆腐を食べたラットは非摂食群に比べて褥瘡の面積が約20%小さく推移し、治癒までの日数も2日ほど短かった。村澤久司・同委員会技術部門長(旭松食品研究所長)は、「日本褥瘡学会がまとめた予防ガイドラインでは、こうや豆腐が豊富に持つレジスタントタンパク質や、アルギニン、亜鉛などの摂取が推奨されており、これらの栄養素が効果をもたらしているのでは」と説明した。

同委員会は、こうや豆腐の消費動向について信州大学学術研究院社会科学系の柳町晴美教授らが調査した結果も、併せて発表した。

柳町教授によると、人口100人当たりの年間こうや豆腐購入金額(2015、16年の平均)が最も多いのは奈良県(1298円)だった。2位は和歌山県(1257円)、3位は青森県(1242円)と続き、こうや豆腐メーカーが集中する長野県は5位(1092円)。全国平均は662円で、上位とは2倍近い開きがあった。

長野県内で行ったスーパー6社のPOSデータ解析などによると特にメーカーが多い飯田市など南信(南部)で、こうや豆腐の売上高が大きかった。村澤技術部門長は、「メーカーが地元中心で展開し、食卓に定着している粉末タイプ、粉豆腐の消費量が影響している」と分析した。

木下委員長は「今後、こうや豆腐の消費と医療圏別で見た健康動向などとの関連をさらに調べ、因果関係を検証していきたい」と話している。

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