こうや豆腐特集

◆こうや豆腐特集:「新しい伝統食」に進化 機能性認知進む

農産加工 2019.06.05 11888号 05面
機能性認知の進展などで需要基盤の底上げが進むこうや豆腐

機能性認知の進展などで需要基盤の底上げが進むこうや豆腐

●需要底上げに手応え

昔ながらの乾物食品として親しまれている、こうや豆腐。機能性の市場認知や「粉豆腐」のニーズ拡大が進み、「新しい伝統食」へ進化を見せている。2018年秋には、こうや豆腐に豊富なレジスタントタンパク質が脂質代謝を促すことなどがTV番組で取り上げられ、再びブーム的な人気に。現在は落ち着きを取り戻しているが、業界では「機能性の検証や情報発信の積み重ねが消費喚起につながり、需要のベースは着実に上がっている」(こうや豆腐普及委員会・木下博隆委員長=旭松食品社長)と、手応えを得ている。

18年のこうや豆腐製造量(長野県凍豆腐工業協同組合・原料大豆使用量から推計)は7975.8tで、前年より3.3%増加。昨秋からの好調で8000t台への回復も期待されたが、わずかに届かなかった。こうや豆腐は製造工程が約1ヵ月と長期に及ぶことから、需要の急伸に生産が追い付かず、大幅な増産には至らなかったものの、堅調な増加となった。一方、高止まりが続く原材料価格や上昇する人件費、物流費などコスト圧迫はさらに強まり、製造環境は厳しさを増す。「価格転嫁と、それに見合う付加価値の創出が鍵」(木下委員長)。令和の時代を迎えた今期、業界は機能性の解明とニーズにマッチした食べ方、メニューの提案を両輪で進めながら、1000年近いといわれるこうや豆腐の歴史に、新たな一章を加えようとしている。(長野支局長=西澤貴寛)

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