11月3日。今日は調味料の日
伝統調味料を見直し、和食を文化として考えようと日本野菜ソムリエ協会が「文化の日」に制定した。
そもそも味とは?
甘・酸・塩・苦に「うま味」 を加えた5つが基本の味で、おいしさの一番大切な要素である「味」には甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つがあり、これを「基本味」という。基本味は、ほかの味を混ぜ合わせて作ることのできない独特の味である。
基本味の概念には、古くからいろいろな説があり、古代ギリシャでは、甘味、塩味、苦味、 辛味、酸味、収斂味(しゅうれんみ)(渋味に相当する味)、ざらざらした味の7つの基本味があるとされた。古代中国(紀元前11~8世紀の周代)では甘味、酸味、塩味、苦味、辛味の5つが基本の「五味」とされていた。 また、インドでは中国の五味に渋味と淡味、不了味(ふりょうみ)(あいまいな味)を加えて八味が基本味とされていた。
19世紀半ばには、味を甘味、酸味、塩味、苦味の4つに分類する「四基本味」説が定着した。1940年代から味覚の研究が盛んに行われるようになったが、味覚生理学などの分野でも「四基本味」が定説とされてきた。
ところが1980年代になって、味覚生理学、口腔生理学、栄養学、食品学などの研究者らが中 心になって味覚の研究を進め、「うま味」が基本味の1つであることを科学的に実証した。その結果「うま味」はほかの四基本味とは異なる、独立した基本味であることが世界的に認められた。現在、基本味といえば甘味、 酸味、塩味、苦味、うま味の5つを指す。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:日本うま味調味料協会 荒川満夫))