12月19日。今日はクレープの日
毎月9日、19日、29日はクレープの日。9の形がクレープを巻いている形に似ていることに由来する。
生クリームたっぷりのクレープが生まれるまで
マリオンクレープのスタートは1976年、東京都渋谷区の公園通りにあった駐車場の一角に出店した、ワゴン型の実験店舗からであるという。
テークアウトを目的としたクレープ販売のヒントは、同社代表取締役社長の岸伊和男氏が学生時代に留学先のフランスの街角で見かけた、新聞紙に包んで売られていたクレープだという。当時、日本でも皿にのせてクレープを提供する店はあったが、こうした紙巻きスタイルはなかったため、一躍話題となった。
その1年後の77年、本格的な第1号店となる竹下通り店がオープンする。
オープン当時のメニューは、フルーツジャムやリキュールなどを使ったとても シンプルなものばかり。しかし、これに 物足りなさを感じた若者客から、「生クリームやアイスクリームを使ったクレープが食べたい」といった要望が多く出たため、それらを使ったメニュー開発が始まった。
同社のクレープ生地の特徴は、高温で一気に焼き上げるために水分が少なく、クリスピーな食感が楽しめる。だが、焼きたての温かい生地で包むと、生クリームやアイスクリームがすぐに溶けてしまうという問題点もあった。特に、当時は 店舗で生クリームをホイップしていたために手間もかかり、溶けやすかったという。そこで、状態が比較的長時間安定している冷凍のホイップクリームが選ばれた。
(日本食糧新聞社『近代外食史を刻む!ロングセラー料理のルーツ』より)