この1品が客を呼ぶ:「東京餃子楼」モヤシ
「東京餃子楼」は、肉汁のうまみと、パリッとした食感が楽しめる餃子の専門店として3年前にオープン。この店でメーンの餃子に負けず劣らずの人気を集めているのが「モヤシ」だ。肉味噌をのせた食べごたえのあるサイドメニューで、餃子、ライスとともにほとんどの客が注文するという人気メニューだ。
ショッピングスポットや飲食店が建ち並び、若者文化の発信地として知られる街、三軒茶屋。そんな三軒茶屋に新たな食文化を根付かせ、さらに全国に広めよう、という狙いで平成11年4月にオープンしたのがここ「東京餃子楼」だ。屋号のとおり焼き餃子と水餃子がメーンの餃子専門店で、サラリーマンやOLをはじめ、学生や家族連れなどで連日にぎわいを見せている。
餃子は食べやすさに配慮した比較的小ぶりのサイズで、それぞれニラ、ニンニク入りとそうでないものがあり、価格はいずれも六個入りで二九〇円。
あんは肉汁のうまみを逃がさず封じ込めたあっさりタイプで、焼き餃子は薄皮のパリパリとした食感が楽しめるとあって、一人で二皿、三皿と平らげる人も多く、一日平均で六〇〇~七〇〇皿もの注文があるという。
餃子は皮からあんまですべて手作りで、特に皮は気候や時間帯、湿度などによって分量を微妙に変化させるなど、細心の注意を払っているという。
「徳島ラーメンとか横浜シュウマイがあるように、餃子の世界に東京餃子という新しいご当地ブランドを確立することが目標なんです。まずは多くの人にこの味を知ってもらって、名前が自然と付いてきてくれればいいなと考えています」
店長の竹山康晴さんはそう語る。
餃子専門店というだけあって、餃子以外のフードメニューは「モヤシ」「キュウリ」「キャベツ」そして「ご飯」(スープ付)の四品のみ(いずれも一八〇円)。それにドリンク類といたってシンプルだ。
キュウリは味噌風味のドレッシングをかけたもので、キャベツは酢漬けのいわばコールスローのようなもの。そしてモヤシはピリ辛の肉味噌をかけたもので、これがサイドメニューとしては驚異的な人気を博しているのだ。
「ほとんどのお客さまが餃子にライス、そしてモヤシという組み合わせで注文してくれます。肉味噌は以前系列店で同様のものを提供していたのですが、おかげさまで好評だったので、この店をオープンするにあたって何かに使えないかと考えて、ひらめいたのがモヤシだったんです」
モヤシは注文を受けてから一人前、一二五gをさっとゆで、水気をよく切り、熱いうちに肉味噌をかけて出す。肉味噌はごま油を熱し、みじん切りにしたショウガとニンニクに豆板醤を加えて辛みが出るまで炒め、そこに豚ひき肉を加えてさらに炒め、秘伝の調味料を入れる。モヤシのシャキシャキ感とピリ辛の肉味噌がよく合い、ビールにもライスにもマッチするメニューとなっている。
深夜でもほぼ満席に近いこの店は、若い女性客も多く訪れる。そんな女性客の一人に聞いてみた。
「ここの餃子はジューシーであっさりしているから、つい食べ過ぎてしまうんです。でも餃子とライスだけでは栄養バランスやカロリーが気になります。その点、モヤシは栄養のバランスもいいし、カロリーも低いので安心して食べられるんですよね」
ヘルシーで栄養豊富なモヤシの味を肉味噌が引き立て、そしてそれが餃子の人気を後押しする。こうした相乗効果が東京餃子楼の繁栄を支えているようだ。
◆こだわりの食材 大豆白絞油 日清製油(株)
白絞油はコシが強く、熱安定性に優れている上に泡立ちが少なく、また煙が立たないのが特徴とされる。東京餃子楼の焼き餃子には、大豆油を原料とした白絞油を使用している。
「うまみのある大豆油を原料とした油で、油切れが良く、パリッとした皮に仕上がります。あっさりと焼き上がるのも特徴ですね。餃子をおいしく焼き上げる手助けをしてくれる、当店自慢の油です」
一日平均六〇〇~七〇〇皿分を焼き上げるため、一六・五キログラム缶をわずか三日で使い切ってしまうという。
◆記者席からのコメント
ゆでたモヤシの上に乗せられた肉味噌は、口に入れるとまずほのかな甘みが広がり、しばらくするとじわりと辛みを感じ、そしてさまざまな味が楽しめる。わずか四〇秒だけゆでるモヤシはシャキシャキとした歯ごたえが抜群、コクのあるピリ辛の肉味噌とのハーモニーが存分に楽しめる。
餃子とライス、ビールの合間に食すと、これが絶妙なアクセントとなって、さらに、はしが進んでしまうこと請け合いだ。また、モヤシを炒めるのではなく、短時間でさっとゆでてあるため、栄養素を極力逃がさず、ヘルシー感も満点だ。
◆「東京餃子楼」=東京都世田谷区太子堂四‐四‐二、ラウスパレス三軒茶屋、電話03・5433・2451/坪数席数=一八坪二八席/営業時間=午前11時半~翌午前4時半、無休














