ニューヨーク通信 外食ビジネスの新発想(57)「トットラーメン」 行列のできる日本のラーメン店

2011.11.07 392号 08面
「鳥人丸鶏白湯ラーメン」 醤油味の丸鶏がら白湯スープのラーメン。具材は、ネギ、玉ネギ、チャーシュー、海苔など。同店自慢の看板ラーメン

「鳥人丸鶏白湯ラーメン」 醤油味の丸鶏がら白湯スープのラーメン。具材は、ネギ、玉ネギ、チャーシュー、海苔など。同店自慢の看板ラーメン

 NY、ブロードウェイ・シアター街の近くに店を構える「TOTTO RAMEN」(トットラーメン)は、ここ2~3年、矢継ぎ早に日系ラーメン店がオープンする中、常にメディアが選ぶベスト10リストに入っている人気店だ。アメリカには珍しいテークアウトなし、デリバリーなし、予約なしの店で、口コミで昼間から列を作って待つ人が後を絶たない。日本では珍しい旬菜ベジタリアンラーメンなどユニークなラーメンもあり、地元の支持を得ている。(外海君子)

 ◆20席300人以上集客 昆布と椎茸のベジタリアン向けも

 半地下のウナギの寝床のような店内は、入ってすぐカウンター席と奥にあるテーブル席合わせて20席。同店は、行列のできるラーメンとして名高い。壁に掛けてあるリストに、名前と人数を書き入れ、順番を待つ。酒や会話を楽しむお客が多いので回転率は悪く、滞在時間は平均30分。それでも1日の集客数は300人以上。待ち客は後を絶たない。

 人気上位は、丸鶏がらベースの「鳥人丸鶏白湯ラーメン」と「鳥人辛ラーメン」など(詳細写真参照)。ユニークなのは、肉好きのアメリカ人には喜ばれそうな「ニンニク肉ラーメン」。豚肉、ガーリック、玉ネギ、モヤシ、ネギが山盛りでボリュームたっぷりだ。その対極にあるのが「旬菜ベジタリアンラーメン」。昆布と椎茸をスープベースにしたラーメンで、ベジタリアンの多いニューヨークならではの一品だ。

 オープンキッチンで、カウンター席からは、注文を受けてすぐ作り始める調理風景が見え、チャーシューは、バーナーであぶってから出している。また、オプションとしてチャーシュー(2$)、味付け卵(1$)、ネギ(75¢)、キクラゲ(1$)、モヤシ(1$)、海苔(1$)、コーン(1$)、アボカド漬け(2$)、自家製ラー油(1$25¢)、シナチク(1$)を追加できる。

 アメリカ人は、MSGと呼ばれるグルタミン酸ナトリウムが体に悪いという信仰があり、特に中華などのアジア系の料理にはMSGがよく使われていると思われているので、店内には「MSGを使っていません」という表記がされている。

 サイド・ディッシュには、あぶりチャーシューマヨ丼(4$50¢)やスパイシーツナ丼(5$50¢)などもある。飲み物は、サッポロビール(5$)、にごり酒(7$)、辛丹波(8$)、白鹿超辛(6$)、眞露チャミスル(12$)があり、ソーダは2$。

 ●事業データ

 TOTTO RAMEN(トットラーメン)所在地=366 West 52nd Street, New York NY/開業=2010年6月/営業時間=月~金・正午~翌午前0時、土・正午~午後11時、日・午後5時~11時/席数=20席/客単価=10~20$

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