メニュートレンド:ローストビーフ丼 肉、肉、肉ーっの肉々しい丼

2015.05.04 434号 02面
スライスしたローストビーフが地層のように重なり合い、見た目のインパクトは抜群だ

スライスしたローストビーフが地層のように重なり合い、見た目のインパクトは抜群だ

開店前からこの行列

開店前からこの行列

 JR山手線・高田馬場駅から少し裏手に入り、歩いて5分強の立地に連日、大行列をつくる店がある。店名は「レッドロック」。11時半オープンにもかかわらず、早いときは10時から客が並び始め、ランチ時には3時間待ちとなり、列は100m以上も続くという。その後も、午後11時のラストオーダー近くまで、待たずにこの店に入ることはできない。客の狙いは、同店の看板メニューの「ローストビーフ丼」。そのメニュー力を取材した。

 ●ピーク時、3時間待ちの大盛況 神戸発祥の人気メニューの東京1号店

 「ローストビーフ丼」のメニュー力は、何はさておき、ご覧の通り、見た目の強烈なインパクトにある。肉好きのみならず、文字通りの“垂涎”ものだ。ローストビーフが層を成して積み上げられ、その高さは大盛りで約10cmにもなる。白飯をローストビーフで覆っているのではない。白飯はこの山の下にあり、ローストビーフのてんこ盛りなのだ。肉の量は大盛りで180g、並で100g。大盛り1070円、並850円を考えると、1.2倍強の値段で1.8倍の肉が食べられることになり、大盛りはかなりお得だ。

 三ヶ本匡男店長は「人気の赤身肉を使ったメニューで他店にはなく、女性にもウケる丼物というのがメニュー開発のコンセプトです」という。その狙いは的中し、客層は6対4で女性客が勝っている。

 「ローストビーフ丼」を開発したのは、神戸にある「レッドロック」本店。たれやソースは神戸のセントラルキッチンで作られ、輸送されてくるが、肉は店内で調理する。チルド真空パックされたオーストラリア産牛もも肉を、低温のオーブンで、火入れのタイミングと蒸らし時間を調整しながら、約4時間かけてじっくり焼き上げる。それをフライパンに移し、オリジナル醤油だれを絡めて、照りを出してからスライス。

 盛り付けは、まず丼に白飯を盛り、照り用のたれとは別の醤油ベースのたれをかける。玉ネギやセロリなどの野菜を煮込んで、うま味を出した特製だれだ。白飯の量は大盛りで350g、並で250g。そこに、スライスしたローストビーフを惜しげもなく重ねていく。仕上げに醤油ベースのたれとマヨネーズやサワークリームを混ぜ合わせた自家製ソースをかけ、卵黄、カイワレ菜をトッピング。ブラックペッパーをパラリとひと振りして完成だ。

 「味は、万人ウケする甘辛味。ローストビーフとのバランスもいいですし、卵黄を崩しながら食べるとマイルドな味になります」と三ヶ本店長。

 東京に出店する際、特に宣伝はしなかった。「神戸の店も行列ができているので、並ぶのが嫌いな関西人が並んでも食べたいメニューなら、東京でもイケると思いましたから」と自信を見せる。実際、口コミで評判は瞬く間に広がった。「今のお客さんは、食べる前にまず撮影。それをツイッターやFacebookでどんどん発信してくれます。SNS系の宣伝効果は大きいですね。だからこそ、思わず写真が撮りたくなるような見た目のインパクトが大事なんです」と分析する。

 同店は6月に原宿に都内2号店を出店予定。「ローストビーフ丼」の人気に、今後も目が離せない。

 ●店舗情報

 「レッドロック 高田馬場店」 経営=R&B守破離(シュハリ)/店舗所在地=東京都豊島区高田3-11-14/開業=2014年9月/営業時間=平日午前11時30分~午後11時(LO)、日曜・祝日午前11時30分~午後10時(LO)。無休/坪数・席数=14坪・26席/1日平均客数=約500人/平均客単価=約1000円

 ●愛用資材・食材

 「キッコーマン食品 特選丸大豆しょうゆ」

 キッコーマン食品(千葉県野田市)

 色・味・香りのバランスがいい

 大豆のうま味を丸ごと引き出した特選醤油。良質な大豆を丸ごと仕込み、じっくり熟成させ、うま味・コク・風味を出す。「肉に絡めて照りを出すたれも、仕上げにかけるたれも、どちらも醤油ベースです。醤油のコクと風味が牛赤身肉に合うし、フライパンで加熱しながら絡めたときの香りと焦げ色は、食欲をさらにそそりますね」と三ヶ本店長。

 規格=750ml

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