ヘルシー企業の顔:めいらくグループ・名古屋製酪・日比孝吉代表取締役会長

2003.08.10 96号 12面

コーヒー用ポーションクリームの生産世界一をはじめ、多くのヒット商品を生む名古屋製酪(株)では、順調な事業経営の傍ら、無臭にんにく『蓬莱』の無償贈呈や波動測定など、健康に寄与する活動を行っている。今年前半には、SARS禍の中国などへ無臭にんにくを寄贈。その奉仕活動は世界規模へと発展した。また独自研究により、にんにく成分・アホエンが、痴呆症への有効性で特許を取得したという。日比孝 会長に、近況と将来について聞いた。

(聞き手=日本食糧新聞社代表取締役社長 今野正義)

‐世界でも唯一、御社の特許技術を用いた無臭にんにくの配布は、月間愛飲者数が6月末で二四万人を超えたそうですね。

おかげさまで年内に三〇万人。今後は一〇〇万人を目標に一生懸命させていただきたいと思っております。またこの6月、アホエンで新たに、痴呆症抑制効果の特許を取得しました。学習能力向上・記憶力回復といった痴呆症の予防・抑制に有効で、長期服用しても副作用の恐れがない「アセチルコリンエステラーゼ阻害剤」として特許が認められました。

アホエンは、にんにくを生で無臭化する技術の中から発見された成分です。一般の無臭にんにくは、加熱加工するため酵素が働かず、アホエンは発生しないのです。

製薬会社との提携話など、いろいろいただきますが、当社としてはこの研究・活動は販売目的ではなく、無償で皆さんにお配りする姿勢で、できる限り今後も続けていきたいと思っております。

‐志の高いことには感服するばかりですが、配送費だけでも大変な額では?

企業の宣伝・広告の代わりにこの活動を展開しています。「どうしてタダで?」とよく聞かれますが、前世の借りを返させていただくんです、とお答えします。実際、多くの方からいただく喜びの声が、私どもの何よりの励みになっております。

にんにくの製造は、すべて社内で行います。原料を仕入れ、搾って、有効成分を取り出し、袋詰めし…。生ものを扱う無菌技術は当社の得意分野、牛乳加工の長年のノウハウを生かしています。何しろすごい匂いですから現場は大変です。

発送業務はパートの女性たちが担当しています。その職場は、常にニコニコ、イキイキ感に満ちプライドを持って働いております。すべては皆様の「ありがとう」が原動力です。

‐「ありがとう」の行動が、「ありがとう」の言葉として返され、それにまた感謝して皆が働く、まさに報恩・奉仕を実践しておられるのですね。

ファンレターはFAXやメールを含め、日に一〇〇〇通ほどいただきます。日曜日など会社のFAXは鳴りっぱなしです。本当にありがたく、感動いたしております。

一〇〇万人実現へ向け、生産体制を強化すると同時に、見直しも図っております。もし何かあれば、ご迷惑に変わりますから。「満ちれば欠くる」で、特許が取れて、順調に拡大しているいまこそ、精神を集中して起こりうる異変に備え、災厄に出合えば、ますます意思を強固に目的の達成に努めるのが、我々企業としての生き方だと思っております。

SARS予防の一助にと、中国・北京の医療関係者などへも、救援物資として『蓬莱』を寄贈させていただきました。にんにく成分のSARSウイルス死滅効果を正式に得た訳ではありませんが、アホエンには、有害菌の活動を抑制する殺菌作用があり、脳卒中抑制作用や肝臓保護作用など健康の有用性が認められています。

さらに追加要請をいただき、国内分の配布を一時中断し、中国へ送る決断をしました。一部の皆様にはご迷惑をお掛けしましたが、ご支援の声も賜り励みになりました。

‐食の安心・安全が問われる時代。御社の取り組みをお聞かせください。

当社では以前から、製品に製造年月日と賞味期限を表示しています。賞味期限だけでなく、お客様にとっては「いつ作られたか?」が大事ですから。

我々は創業以来「鮮度」にこだわって食品を作り、お届けすることに徹してまいりました。旬がおいしいのは、鮮度が大事という証。神の与えですわね。なるべく食品は新しい方がいい、いつもこれを頭から離しちゃいかんと思っています。

ISOやHACCPなどの安全基準についても全工場に導入。さらに、当社では波動測定器を導入し、商品の安全・品質管理に役立てております。

‐私も毎月、御社の波動測定で健康管理をしていただき、波動というものがやっと分かってまいりました。地球上すべてのものは固有の磁場・波動を持っていて、良い波動を持つ食品には、私たちの身体も喜んで反応するという、いままでにない見地からの食と健康の探求ですよね。

目に見えない力を測るんですから、分かりにくいことは当然だと思います。しかしこの世の中、目に見えるものは半分に過ぎません。見えざるものを信じる、または生かすことが大切なのではないでしょうか。

‐それを達成するため「職場は道場」とする御社では、清掃を重点実施事項とし、自社だけでなく、町内や得意先でのトイレ清掃を実践されているとか。

トイレ清掃の励行は、イエローハットの鍵山会長はじめ、全国多くの経営方針・企業研修に取り入れられています。清掃は、場を清め、心を磨きます。私どもも、お得意様との信頼や、安全な商品づくりの基本という思いで取り組んでおります。

うちは「三K」ですから、健康管理はものすごく大事。波動測定と無臭にんにくなど健康食品の配布は、社員とご父兄にも実施しています。私の信仰しております天理教では、人間で一番大事なのは命といわれます。金より何より。企業もそれを追求すべきと思うのです。

当社は製造直販制で、全国に二〇〇〇台のトラックを走らせており、交通事故にも常に配慮しております。

‐重要なことですね。最後に、日比会長ご自身の健康法と、夢をお聞かせください。

私自身は『蓬莱』を朝三・昼三・疲労の多い時は晩五粒ずつ毎日飲みます。それから歩くことですね。「満足」といいましてね、足が良ければすべて良しだそうです。予定のない日曜は家内とゴルフへ行きます。棒や専用の板を使って、足裏のツボ刺激などもします。

夢は、いくら食べても肥えなくて、病まず、健康でいられる食品を作ること。昨今、食品をめぐるいろいろな事件が起きるのは、神の警鐘。本当の意味で命を大事に、健康で長生きするものを作らなければと思います。おいしさも大切ですが、まず新鮮で、安全で、そのうえ安価で。皆様の幸せ・繁栄につながることをしていきたいと願っております。

◆プロフィル

ひび・たかよし 1928年6月2日生まれ、静岡県出身。46年名古屋市立第一工業卒業後、父とともに商いを始め、52年名古屋製酪(株)設立、71年代表取締役社長就任。グループ会社も多数設立、2001年6月代表取締役会長に就任し現在に至る。

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