イタリアで朝食に楽しむ人気スイーツ「ボンボローニ」
日本で一大ブームを巻き起こした「マリトッツォ」に続く人気スイーツとして、メディアでも注目を浴びているのが「ボンボローニ」。バル(コーヒー店)での朝ごはんの人気メニューで、カプチーノと一緒にボリュームたっぷりに食べるのがイタリア流である。いうなれば、昔ながらの揚げパンではあるが、中にたっぷりのクリームが入っているのが特徴だ。シンプルかつアレンジが豊富であるから、日本でも新ブームを巻き起こすことが期待できる。
マリトッツォに続く注目スイーツ
最近、コンビニエンスストアにも登場して、話題となってるイタリア生まれのスイーツ「ボンボローニ」は、イタリア中部のトスカーナ州の伝統的な揚げドーナツの一種である。基本は小麦粉に、砂糖、卵、バターなど、どこででも手に入る材料で作った生地をしっかり発酵させ、油で揚げたシンプルなもの。
ところが、揚げドーナツといっても普通の揚げドーナツではないところが「ボンボローニ」のすごいところ。ふわふわの軟らかい揚げパンは、コロンとした丸い形で中にはクリームがたっぷり。そして、周りには砂糖をたっぷりまぶしているのだ。ローマの方言では「ボンボローニ」ではなく、「ボンバ(爆弾)」と呼ぶのであるが、まさに爆弾という表現がふさわしいボリュームである。
ヌテラやピスタチオなどクリームが多様に
伝統的な「ボンボローニ」は、カスタードクリームがたっぷり入っているものだったが、最近では、イタリアでもバリエーションに富んでいる。イタリア人に人気のヘーゼルナッツ・スプレッド「Nutella(ヌテラ)」や、チョコレートクリーム、さらにはピスタチオクリームまでさまざまな趣向を凝らしている。
また、何も入れずにシンプルに揚げパンとして「ボンボローニ」を味わうこともできる。アイデア次第で、いくらでもバリエーションが膨らむところも楽しいスイーツである。
カプチーノと朝食に楽しむのがイタリア流
これだけボリュームのある「ボンボローニ」をイタリア人はいつ食べるのかというと、朝ごはんだ。日本と違い、朝は甘いもので軽く済ませる習慣のあるイタリアでは、行きつけのバルで食べるのが一般的である。甘みがたっぷりの「ボンボローニ」と、ほのかにエスプレッソの苦みを感じさせるカプチーノとの組み合わせがイタリア流である。
バルの数ある甘いパンの中でも、ボリュームたっぷりの「ボンボローニ」を選ぶと、幸せな気分が盛り上がって楽しく一日をスタートできるというイタリア人が多いのもうなずける。朝、食欲がなくて何も食べられないという人にもおすすめである。
基本はパン、揚げパンなので、あんこなど日本ならではの食材との相性も抜群なので、人気の組み合わせが生み出される可能性が大きい。今後の日本での展開も楽しみだ。(フードライター 鈴木奈保子)