天然・自然モノ、ビールに麦茶

1997.07.10 22号 3面

最初の一杯がたまらないキリッと冷えたビール。老若男女、誰もが夏になるとその味が懐かしくなる麦茶。どちらも大麦製品。まさに夏は大麦の旬だ。

大麦のうち特によく使用されるのは二条大麦と六条大麦。二条大麦はビールの原料に適し、麦茶には六条大麦が多く使われる。

ビールは天然の素材を使った自然食品だ。大麦の麦芽とホップ、副原料のコメやコーンスターチで出来ている。それらの分量や配合、アルコール濃度などで味が違い、毎年新しい味わいのビールが発売されるというわけ。「ビールっ腹」なんて恐い言葉もあるがこれはビールの苦みに消化液分泌を促す作用があるため、ついついツマミを食べ過ぎてしまうからで、決してビールだけのせいではない。

一方、夏の冷蔵庫の必需品、麦茶。この歴史は古く戦国時代の武将たちも愛飲していたと言われる。江戸時代末期には町人衆の気軽な飲み物として商品化され、喫茶店のような「麦露店」なるものが憩いの場として賑わったという。現在のように「夏には麦茶」が定着したのは昭和42年ごろ、粉末飲料が突然姿を消したことによる。その直前の時代は粉末飲料が一世を風靡した。子どもたちの大好きな飲料だったが、粉末飲料に含まれていたチクロ、サッカリンの使用禁止により、ナチュラルな麦茶が再び庶民の飲み物として定着したようだ。天然飲料の麦茶は添加物が一切含まれないほか、カフェインやタンニンもない。もちろんノーカロリー、無糖飲料としても魅力が高い。

ビールも麦茶もムギイロの美しい褐色が特徴。ひんやり冷やして褐色夏気分をいっそう盛り上げる。

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