タケノコパワーで老廃物を外に押し出せ 肥満解消や大腸がん予防に
竹の子は、一旬(一〇日間)で竹になるから筍と書くという。事実三ヵ月で成長が仕上る。毛の生えた何枚もの皮で身を固めた猛々しい姿で、暗黒の土地を割ってニョキニョキと頭を出す。中には一日で一二〇センチ伸びるものあるという。見ているうちに背丈が高くなっていくのだ。この急成長には多くの謎が秘められている。母なる竹から送られる豊富な栄養と成長ホルモンそして皮。伸び盛りの竹の子の皮は肉(可食部分)と同じだけの栄養をもち、成長をみとどけるまでくっついたまま離れない。春の食卓の王者には、強じんな生命力が宿っているのだ。
竹の子のまた竹の子の竹の子の 子の子の末もしげるめでたさ 太田南畝
木の芽ぶく時期のものを食べるとニキビが出る。これは冬の間にたまった老廃物を身体の外へ排出させようとする作用のせいだ。それぞれ新陳代謝が高まるから、尿や便の出がよくなり、血液を浄化してくれる。
御茶の水クリニック院長の森下敬一氏は「タケノコの繊維は、タケノコの身上である独特の歯触りの良さを生み出していると同時に血液をどんどん新しくします。血液が清められると内臓機能が強化され、瞬時に身体が引き締まるので肥満の解消に役立ちます。また腸の機能が正常化するとビタミンの吸収力や合成がスムーズに行われるので便秘の解消に卓効をあらわし、大腸がんの予防にも有効です」と語る。