カンボジア アンコール・ワット近くに「シハヌーク・イオン博物館」オープン

2007.12.10 149号 05面
博物館外観

博物館外観

◆平和の象徴として

 上智大学(石澤良昭学長)とイオン1%クラブ(岡田卓也委員長)は先月、カンボジア王国の世界遺産「アンコール・ワット」の近くに「シハヌーク・イオン博物館」を開館した。2001年に上智大学のアンコール遺跡国際調査団によって発掘された歴史的価値のある仏像群が、展示・研究されている。

 小売業の繁栄は平和の象徴、「平和産業・地域産業・人間産業」をフィロソフィーとしているイオンでは、1997年にオタワ条約批准を機に、98年から3年間かけてカンボジアで地雷の被害に苦しむ人たちの早期社会復帰を願い、来店客の募金とイオン1%クラブからの寄付金を合わせ、施設を運営している日本赤十字社へ寄付する「バッタンバン義肢センター」支援キャンペーンを実施。2000年には、「小さな大使」として相互理解を深め文化と環境問題を考えるために、カンボジアの高校生24人を招待した。01年から3年間は、内戦によって失われた教育基盤の早期回復を願って、来店客の募金による協力と(財)日本ユニセフ協会とのパートナーシップの下、149校の建設支援をしたーなど、カンボジアで数々の活動を展開してきた。

 ◆文化遺産を子供たちの誇りに

 今回の博物館開設は02年、岡田卓也委員長がカンボジア学校建設支援の開校式の後、アンコール遺跡を見学し、素晴らしさに感動。そこで研究センターに無造作に置かれた石仏を見て、「ぜひとも元の状態に戻して差し上げたい」と強く思ったことから端を発している。「学校に通える喜びに目を輝かせている子どもたちに、アンコール・ワットを代表とする文化遺産に誇りをもっていただきたい」と岡田委員長は話す。

 ※イオン1%クラブは、グループ優良企業各社から税抜き前利益1%を拠出し、「環境保全」「国際的な文化・人材交流、人材育成」「地域の文化・社会の振興」を柱に、良き企業市民として地域社会への貢献活動を推進するために1989年に設立。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

関連ワード: イオン