漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(145)清明 新たまねぎ

2022.04.01 321号 08面
新たまねぎ

新たまねぎ

新たまねぎとメカジキのたらこ和え

新たまねぎとメカジキのたらこ和え

 ●24節気 清明(4月5~19日)

 二十四節気(にじゅうしせっき)の清明とは、清浄明潔(せいじょうめいけつ)の略で、「清らか」で「明らか」という意味があります。草花が芽吹き、鳥は歌い、爽やかな風が吹き、すべての生き物が春の息吹を楽しむ季節。つばめがやって来て、雁が北へ帰る。冬の間静かに隠れていた草木がみずみずしい若芽を出す季節です。

 若芽はほとんどが薄い黄緑色をしていてやわらかく、赤ちゃんの肌のようななめらかさ。緑濃い針葉樹の森でさえ若芽の色で山肌が明るくなり、思わず春だなとつぶやいてしまいます。

 この頃、新たまねぎの収穫、出荷が始まります。保存性を高めるために収穫後、表皮を乾燥させてから出荷する通常のたまねぎと違い、新たまねぎは乾燥させずにすぐに出荷するので水分が多く、若芽のやわらかさ、みずみずしさにあふれます。

 どちらもビタミンB1・B2・C、カルシウム、また硫化アリルを含みます。この辛みの成分は人によっては食べづらいことも。新たまねぎであればその水分が辛みを緩和してくれます。

 加熱や水にさらすことで貴重な硫化アリルを失わないよう、生のまま食べられるお料理がおすすめ。スライスをそのまま、身体の中まで潤いそうです。

 ●気象歳時記

 五運六気では、2022年(壬寅年)のいまの時期は、二運の客運と主運が火不及で重なるため、少し涼しい気候になりそうです。

 ●新たまねぎ

 【栄養学】香り成分の硫化アリルは、血液のサラサラ作用や、疲労と胃もたれの回復を促すと注目。辛味が少ないので生食がおすすめ。

 【薬膳学】春はストレスがたまりやすい季節。香りには体内の気や血を巡らせる作用があり、高ぶった気持ちをしずめてくれると言われます。

 東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 葭谷麻利子(レシピも)

 ◆新たまねぎとメカジキのたらこ和え

 香りの力で気血を巡らせ、ストレス解消

 エネルギー189kcal たんぱく質11.6g 塩分1.0g(1人分)

 <材料・2人分>

 ・新たまねぎ……1/4個

 ・セロリ……9cm

 ・メカジキ……1切れ

 ・片栗粉……小さじ2

 ・油……小さじ2

 A・たらこ(ほぐし)……大さじ1

 A・マヨネーズ……小さじ2

 A・ポン酢しょうゆ……小さじ1

 A・塩……少々

 <作り方>

 (1)新たまねぎは縦に薄切りにし、長さ半分に切る。セロリは3cmのせん切りにする。

 (2)ボウルにAを混ぜ、(1)を加えて混ぜる。

 (3)メカジキは一口大のそぎ切りにし、片栗粉をまぶす。フライパンに油を入れて両面を焼き、(2)に加えてあえる。

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