ヘルシートーク:「FORZA STYLE」編集長・干場義雅さん

2016.04.01 249号 05面
干場義雅著『世界のエリートなら誰でも知っている お洒落の本質』PHP研究所刊

干場義雅著『世界のエリートなら誰でも知っている お洒落の本質』PHP研究所刊

 『LEON』『オーシャンズ』など多くの男性誌の一大ブームをつくり、現在はウェブマガジン『FORZA STYLE』編集長として活躍する干場義雅さん。大のイタリア通としても知られる干場さんが、イタリアンの新メニュー“トマトパッツァ”を紹介するイベント「トマトパッツァランチミーティング」に登場。イタリア料理の魅力や、オシャレなライフスタイルについて語っていただきました。

 ●温かくて人情に厚いイタリア人が大好き! 南イタリアの情熱が詰まったトマトパッツァ

 イタリアには90回くらい行っていますが、人が温かくて情に厚いところが大好きです。いつでもフレンドリーに、「このパスタ食べてみて!」「このワインを飲んで!」と、熱烈に歓迎してくれる。そして、帰る時には「もう帰っちゃうの? また来いよ」と、だいたい泣く(笑)。すごく情熱的なんですよね。

 イタリアンは、何を食べてもおいしいですよね。特にトマトパッツァは、トマトに魚介と、好きなものが全部詰まっている魅惑のメニュー。燃えるような赤い色と、ぐつぐつ煮えている感じがいいですね。

 トマトと魚介は、どちらも南イタリアを代表する食材で、イタリアンには欠かせません。嫌いな人はあまりいないのでは?魚介の旨みがだしに出て、コクがしっかりありながらもさっぱり食べられます。トマトに含まれるリコペンは美容にいいので、キレイになりたい女性にもぜひ食べてもらいたいです。

 旬の食材をたっぷり使えば、季節ごとに違った楽しみ方もできそうですよね。スキレットからそのまま出てくるのもお洒落だし、見た目も華やかでフォトジェニック。デートや女子会にピッタリだと思います。かしこまったレストランで食べるのもいいですが、もっと気軽に、例えばイタリアのバールのような、カウンターで立って食べるスタイルもおススメです。そこにワインがあれば最高!

 キリッとした南イタリアの白ワインによく合うと思います。

 ●「フライ&クルーズ」というスタイルの船旅 “劇的な一食”に出会うのが醍醐味

 魅力いっぱいのイタリアなど、ヨーロッパにはぜひ、「フライ&クルーズ」で訪れてほしいですね。「フライ&クルーズ」はいま、世界的にブームなんですよ。日本から、港のある街までは飛行機で。そこからクルーズで各地を楽しみ、また飛行機で帰ってくるという旅のスタイルです。例えば、日本からベニスまでは飛行機で行って、そこから客船でアンコナなどの港町を巡り、アドリア海を渡ってクロアチアへ。さらに、シチリア、ナポリに寄って、最後にモナコで下船。その後は飛行機で日本へ、というコースなどがいいと思います。

 客船は、オールインクルーシヴといって、料金にすべての食事代が含まれています。何を頼んでもOKで、ワインでもシャンパンでも、朝からステーキを食べても大丈夫。私はだいたい10日間くらい乗っていますが、どれもおいしくて、つい食べ過ぎてしまう(笑)。

 これまでに一番印象に残っているイタリアンですか?そうですね、ナポリで食べた一食かな。ホテルに着いた時あまりにも空腹で、ホテルのフロントで教えてもらったレストランに行こうということになったんですが、タクシーに乗った瞬間から断崖絶壁の細い道を猛スピードで飛ばしていくんですよ!生きた心地がしなかった(笑)。けれど、レストランで食べた生ガキが本当においしくて。ジェットコースターのようなアトラクションの後に食べた最高の料理、忘れられないですね。帰り際、「また来いよ~」とオーナーに笑顔で送り出されました。普段から泣き上戸ですが、その時も涙!でしたね。

 ●主役を引き立て、味に深みを出す野菜が好き お気に入りはプンタレッレやルッコラ

 クルーズ中は食べ過ぎてしまいがちですが、肉も魚も野菜も、食べるバランスが大事ですよね。最近は積極的に野菜を取るようにしています。

 イタリアン好きとしては、トマトはもちろん外せませんが、噛むと味わいが出てくる野菜が好きです。例えばプンタレッレやルッコラ。プンタレッレって知りませんか?セロリっぽい野菜で、苦みがあるんですがシャキシャキしてクセになりますよ。イタリアではアンチョビと一緒にサラダにするのが一般的。最近は日本でも出てきているので、イタリアに行かなくても入手できます。

 ルッコラは、ごまっぽい香ばしい味わいが気に入っています。パルメザンチーズとバルサミコで、シンプルに食べるのがいちばんおいしい食べ方だと思います。

 イタリアンではありませんが、エゴマの葉も好きです。サンチュにエゴマの葉をのせて、その上にカルビとキムチをのせて食べるのが最高!エゴマを挟むことによってカルビの味が引き立ち、深みが出ます。主役を引き立てる食材が好きなんです。

 テーブルコーディネートやファッションも、「主役を引き立てる」ことは一緒だと思っています。ファッションの主役は人間の中身。つまり、その人の本質です。中身よりもファッションが前面に出てしまうとカッコ悪い。だから、何が一番大切なのか、本質は何か、常に見極めることがカッコ良く生きる秘訣だと思います。

 ●プロフィール

 ほしば・よしまさ 東京都生まれ。クリエイティブディレクター。『POPEYE』でモデル、BEAMSで販売を経験後、出版社へ。『MA-1』『モノ・マガジン』『エスクァイア日本版』などの編集者を経て『LEON』の創刊に参画。「モテるオヤジ」「ちょいワル」など一大ブームをつくる。その後、『オーシャンズ』を創刊、2010年に独立。2012年、株式会社スタイルクリニックを設立し、代表取締役に。2013年、船旅を愛する男女誌『Sette mari(セッテ・マーリ)』編集長に就任。2015年より、講談社ウェブマガジン『FORZA STYLE』編集長として活躍している。新聞、テレビ、雑誌、ラジオ、トークショー、イベントなど、その活動はメディアの枠を超えて多岐にわたる。

 ◆Event introduction:『トマトパッツァ』ランチミーティング

 イタリアンレストラン「六本木バール・デルソーレ本店」で開催された、トマトと魚介を使ったイタリアンの新メニュー“トマトパッツァ”の試食発表会。干場さんとともに、渋谷のサルディーニャ料理店「タロス」や葉山の一軒家レストラン「SOLI-Agriturismo-」のオーナーシェフ・馬場圭太郎さん、「六本木バール・デルソーレ本店」のシェフ・椎野瀧二さんも参加しました。「トマトと魚介は最高の組み合わせ。どんな魚介を使っても、トマトは素材のコクと旨みを引き出してくれます。特に、旬の魚を合わせると良いですね」(馬場さん)、「“トマトパッツァ”はありそうでなかったメニューですが、誰もが『おいしい!』と言う味だと思います。ポイントは新鮮な魚や野菜を使うこと。いろいろな食材でアレンジしやすいのもいいですね」(椎野さん)。プロの目から見ても、魅力的なメニューが誕生したようです。

 ○“トマトパッツァ”とは?

 イタリア南部にあるカンパーニャ地方の郷土料理“アクアパッツァ”を、トマトソースをベースにアレンジした新メニューです。簡単に言うと、魚介と野菜のトマト煮込み。トマトソースと好きな魚介、野菜を「スキレット」というフライパンに入れて、ぐつぐつ煮るとできあがり。

 ◆干場義雅著『世界のエリートなら誰でも知っている お洒落の本質』

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