ヘルシートーク:元Jリーガー・料理研究家 小泉勇人さん

2024.07.01 348号 05面

NEW Book:『元プロサッカー選手が教える いくら食べても太らない 罪悪感ゼロごはん』小泉勇人著/宝島社 定価:1760円(税込)

NEW Book:『元プロサッカー選手が教える いくら食べても太らない 罪悪感ゼロごはん』小泉勇人著/宝島社 定価:1760円(税込)

本の中身ちょっと拝見:「塩麹アクアパッツァ」は、簡単なのに高見えする一品

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本の中身ちょっと拝見:シンプルな味つけで、うま味を引き出す「ピリ辛塩麹スープ」

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本の中身ちょっと拝見:トマトの酸味が絶妙の「油淋鶏ソース」

本の中身ちょっと拝見:トマトの酸味が絶妙の「油淋鶏ソース」

 ◆痩せる秘訣を盛り込んだレシピを活用してストレスのないダイエットを!

 Jリーガー時代からアスリートならではの健康を考えた自炊レシピをSNSで発信し、現在は料理研究家として活躍する小泉勇人さん。小泉さんが考案する「おいしいのに太りにくく、罪悪感がないレシピ」が、いま話題に。食べて痩せる秘訣や調理のコツ、夏にオススメのレシピも伺いました。

 ●簡単でおいしく、太りにくい罪悪感のないレシピとは?

 「ダイエットをしているのに、食べてしまった」という経験はありませんか?SNSでレシピを発信する中で分かったのは「ダイエットがストレスになっている」という人が多いことです。でも、食事にストレスを抱えるのはもったいないですよね。僕が発信しているのは「おいしいのに太りにくく、罪悪感がないレシピ」。蒸し焼きにするなど油の使用を最小限に抑えた調理法で、野菜をたっぷり使用します。野菜には食物繊維が豊富なものが多いですし、たくさん使えば満足感も得やすいんですよね。

 糖質と脂質を取りすぎてしまうと太りやすくなってしまうので、これらをできるだけ減らし、たんぱく質が多く取れるレシピにしているのもポイントです。また、甘味にはきび砂糖やはちみつを使い、うま味成分を活用。グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸を掛け合わせると、うま味が増すため塩分量が減り、最小限の調味料でおいしくつくることができるんです。

 ダイエットには、食卓の見た目も大事です。小鉢に盛りつけて並べれば、視覚的に満足感を得ることができますし、一気に食べてしまうのを防ぐことにもつながります。

 心が健康な状態でないと、ダイエットをしても結局、過食傾向になってしまったり、ストレスにより身体への悪影響が出てしまうこともあると思います。だからこそ大事なのは、食べることを楽しみながらダイエットにつなげていくこと。僕のレシピは、簡単でおいしく、健康のことを考え、さらにバリエーションも豊富です。ストレスなく、毎日同じようなメニューになってしまうダイエットからも解放されると思います。

 ●鶏むね肉がしっとりやわらかく!超簡単でおいしい「鶏ハム」

 ダイエットの強い味方といえば、鶏むね肉です。鶏むね肉は、脂質が少なく、高たんぱく質。たんぱく質を取ることで、筋肉がつきやすくなり、分解されにくくなるんです。筋肉量が増えれば、1日の消費カロリーアップにもつながりますからね。お財布にもやさしいので、続けやすい食材だと思います。

 一方、鶏むね肉はどうしても、調理の過程でぱさぱさになったり、焼き過ぎてかたくなってしまうという声をよく聞きます。そこでオススメしたいレシピが「鶏ハム」。耐熱のファスナー付き保存袋に鶏むね肉を入れ、酒と塩をもみ込んだら、袋ごと熱湯へ。45分ほど放置しておけば、余熱で火が通り、しっとりやわらかな仕上がりになるんです。

 鶏ハムやサラダ、副菜などにも活用できるのが、著書で紹介している「油淋鶏ソース」。フレッシュなトマトを使い、すりおろしたしょうがとにんにくを効かせた、食欲をそそる味わいです。みじん切りにした長ねぎをたっぷり使う「ねぎ塩レモンだれ」や、梅干しと大根おろしを合わせた「梅おろしだれ」も、これからの季節、作り置きしておくと便利。さっぱりとしたおいしさで、冷しゃぶや冷奴にもぴったりですよ。

 僕自身、大好きでよくつくるのは、高たんぱくでヘルシーなタラと、ミニトマト、ブロッコリーを合わせた「塩麹アクアパッツァ」。タラを蒸し焼きにすることでうま味を引き出し、簡単ながらも高見えする、彩りきれいな一品です。豚肉とニラを使った「ピリ辛塩麹スープ」は、豚肉に含まれるビタミンB1が疲労回復につながり、ニラがその吸収を助けるので、疲れやすい夏に最適。塩麹を使うことで、うま味が増すだけでなく、代謝アップや美肌にもつながります。

 ●食の経験や知識を発信し、子どもたちの未来を支えたい

 Jリーグの現役プロサッカー選手だった頃から、自炊はしていました。ただ、料理が好きだからではなく、一番いいコンディションを維持し続けるためには必要だと思っていたからです。本格的に料理を始めるようになったのは、コロナ禍で練習ができなくなったことがきっかけです。SNSでアスリートならではの自炊料理や栄養のことを発信し、アスリートフードマイスターや上級食育アドバイザーなど食に関するさまざまな資格も取得しました。

 現役引退後は料理を仕事にしているのですが、正直に言うと、いまでも料理が大好きではないんです(苦笑)。でもそんな僕がSNSで発信することで、料理が苦手な人を後押しするきっかけになったり、簡単においしくつくれることや、誰にでも継続できることが伝わればいいなと思っています。

 僕には「日本の子どもたちの未来を支えたい」という思いがあります。そのためには、アスリートとして培ってきた食の経験や知識、食育のことなどを発信し続け、まずは親御さんに伝えていくことが大事だと思っています。親御さんが栄養や食事に関する正しい知識を持っていれば、健康はもちろん、成長や学習能力、チャレンジする気持ちなど、子どもの能力の底上げにもつながると思うからです。

 必要となる栄養素は競技ごとに異なりますし、人によって身体に合う食事も違ってきます。多くの食の情報がある中で、自分に合うものを取捨選択できるようになるには、正しい食の知識を知っておくことが大切です。そのためにも、食の基盤作りになる情報を、今後も発信し続けようと思います。

 ◆プロフィル

 こいずみ・ゆうと 茨城県神栖市出身の元プロサッカー選手。鹿島アントラーズ、ザスパクサツ群馬、ヴァンフォーレ甲府でプレーし、2023年現役を引退。コロナ禍で練習ができない時期に本格的に料理に取り組み始め、食に関する知識をSNSで発信。2021年に自炊記録アカウントを立ち上げる。現在、SNS総フォロワー数25万人超。アスリートフードマイスター3級や上級食育アドバイザーなど食に関する6つの資格を取得。

 ●NewBook 本の中身ちょっと拝見

 『元プロサッカー選手が教える いくら食べても太らない 罪悪感ゼロごはん』 小泉勇人著/宝島社

 定価:1760円(税込)

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