即席麺特集
◆即席麺特集:成長続く袋麺が全体けん引 各社、周年策で活性化を
即席麺市場は拡大基調にある。20年1~10月までの総需要は数量ベース、金額ベースともに前年を上回って推移している。カテゴリー別で見ると袋麺・カップ麺ともに増加しているが、袋麺の成長が全体をけん引している。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ストック需要や手作りニーズなどで売上げが伸びている。この状況下、12月は即席麺の需要期でもあるため、さらなる成長に向けた競争が激しくなりそうだ。(久保喜寛)
●定番5食パック好調 家庭でもアレンジ楽しめる
今年の即席麺を引っ張っているのは引き続き袋麺だ。巣ごもり需要などにより、5食パックの勢いが続いている。直近の10月単月でも、昨年自然災害の影響で特需となった反動もなく数量・金額とも前年比1割増で推移した。日清食品の「チキンラーメン」やサンヨー食品の「サッポロ一番」など、各社の主要ブランドは、順調に売上げを伸ばす。
袋麺の好調要因は、在宅時間の増加による調理機会の拡大で即席麺でも一手間かけたニーズが高まり、家庭内でアレンジして楽しむ人が増えている。アレンジメニューについても、メーカーからだけでなく、TV番組や個人のSNSなどでも情報が拡散されるなど、広がりを見せている。今後も自然発生的なレシピ提案は行われていく可能性がある。
また、所得の不安などによる1食当たりのコストパフォーマンスの良さも評価されているようだ。それにより5食が売上げの中心となっている。ただし、1食や2~3食といった小サイズ袋麺も販売数量を増やしている。家族向けの5食に対して、個人向けに1~3食が選ばれているようだ。定番の5食と、袋麺の新たな魅力を提案する1~3食という新しい構図で袋麺カテゴリーはますます発展が予想されている。
各メーカーは、今年獲得した袋麺の喫食機会の増加を21年にも継続していきたい考え。そのため、アレンジメニューや新商品、外食のラーメンの代替となるような高品質の提案などを行っていき、袋麺カテゴリーの価値向上を図っていく。
カップ麺は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で4~5月に売上げを大きく伸ばしたものの、6月以降は成長がやや鈍化した。企業のテレワークの導入でオフィスでの昼食需要が減少していることや、主要販売チャネルの一つのCVSが伸び悩んでいることなどがマイナス要因となっている。カップ麺のメーン商材のタテ型は安定しているものの、大型などが苦戦している。さらに、オープン価格などの低価格品が売上げを伸ばし、一部のメーカーブランドやCVSなどで展開する有名店などの高価格帯商品が影響を受けているという。
メーカーの主要ブランドの中には、リニューアルなどを図って活性化に取り組んだものの、広告や店頭での販促活動などに制限があったため、十分なアピールができず特徴が伝わりづらかった。
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◆即席麺特集:成長続く袋麺が全体けん引 各社、周年策で活性化を
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