麦茶・健康茶特集
◆麦茶・健康茶特集:巣ごもりでティーバッグ好調 マイボトル用に注目
コロナ禍で家にいる時間が長くなり、自宅で麦茶を作る機会が増えている。それに伴い、ティーバッグ麦茶が好調な動きを見せている。かつては夏場の飲み物という印象が強かったが、最近は秋冬にも飲まれ通年化が進行。サイズも定番の大容量のほか少数世帯向けや、ここ数年はマイボトル用商品が増加している。環境意識が高まっていることからも、今後の市場定着が期待される。(三井伶子)
20年のティーバッグ麦茶市場は、前年比2.8%増となった。KSP-POSを見ると、前年を下回ったのは緊急事態宣言直後の4~5月と10月だけで、それ以外の月は前年実績を上回った。
月ごとの販売状況を見ると、年明けから前年超えで推移し、4~5月はいったん落ち込んだものの、8月は気温の上昇もあって一気に遅れを取り戻した。21年に入ってからも暖冬や早い春の訪れもあり、前年を上回って推移している。
一方、全国清涼飲料連合会調べによる20年の麦茶飲料生産量は前年比5.6%減、販売金額は同6.0%減となり、ティーバッグと明暗が分かれた。
ティーバッグ好調の要因として考えられるのが、巣ごもり需要だ。長引く外出自粛や移動の制限から、コンビニエンスストアや自動販売機でPET飲料を購入する機会が減少。食品スーパーでは節約志向などから、PETと比べより安価なティーバッグを購入する傾向があったと推測される。
近年では乾燥防止などを目的に秋冬の飲用が拡大。ノンカフェインといった安心感や、昔から親しんでいる飲み物ということもあり、子育て世帯を中心に幅広い年齢層に受け入れられている。
家庭用が好調の一方で、業務用は動きが芳しくない。緊急事態宣言下、産業給食向けや学校給食向けなどがストップし苦戦。麦茶は外食店などで水代わりに提供されることも多く、外食低迷の影響が麦茶にも及んでいる。
ティーバッグ麦茶はここ数年、健康・節約志向を背景に市場が拡大しているが、コモディティー化に歯止めがかからない状態が長年続く。徳用サイズなら50Lの麦茶が作れるティーバッグと、500mlのPET飲料が同じような価格で販売されている。大手に寡占化された成熟市場ではあるが、業界としてティーバッグ麦茶の価値向上を目指す必要がある。
ただ、今年に関しては売場で単価アップの動きが見られる。POSデータを見ても、20年3月以降の1個当たり単価が前年を上回っており、販売価格は下げ止まった感がある。外国産の原料麦の価格が上昇傾向にあり、利益確保のため大手が価格改定に動いたことが考えられる。
原料事情について19年産の大麦とはだか麦の収穫量は、天候に恵まれ生育が順調であったことなどから前年産に比べ、二条大麦は2.2万t(18%)増加、六条大麦は1.5万t(39%)増加、はだか麦は0.6万t(45%)増加となった。その影響もあって、20年度の麦茶用原料麦の販売数量は7800t(10.4%)増加となった。
麦茶が料理にも使えることは、あまり知られていない。料理好きの主婦が発信するブログやSNSなどでは、麦茶を使ったさまざまなレシピが紹介されている。例えば、紅茶の代わりに麦茶を使ったパウンドケーキは麦茶の香ばしさが楽しめる。緑茶の代わりに冷たい麦茶をかけた「麦茶漬け」は食欲のない夏でも食べられる。料理用途が広がることで、麦茶の新たな展開が期待できそうだ。
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