食肉・食肉加工品特集2024
食肉・食肉加工品特集:アイルランド政府食糧庁 日本市場拡大目指す
アイルランド政府食糧庁は、今後さらに日本市場に注力していく。中でも日本市場に合った冷凍牛肉製品の供給をさらに増やしていきたい考えだ。具体的には、スーパー、焼肉店、弁当などリテールでの冷凍牛肉製品の普及を目指しており、既存の日本のパートナー企業のサポートに加え、新たなパートナーを開拓するためのプロモーション活動も精力的に続けていく予定だ。(三井伶子)
アイルランドでは、日本市場の特性や需要に合わせた商品開発や商品輸送へ柔軟に対応しているほか、国内の農家、プロセッサー、輸出業者の間で密に連携を取り、効率的な生産を目指し常に最新技術への設備投資を行なっている。このような数々の努力が、日本への年間を通じた安定した供給を実現している。
日本でのビジネス展開に対するアイルランドのコミットメントを象徴する2140万ユーロ(およそ29億円)をかけて建設中のアイルランド・ハウスの12月の竣工をはじめ、日本でのチームを拡大し、東京オフィスの人員を増員した。
23年は、コロナが明け初めてビジネスパートナーやメディア向けの視察ツアーを実施し、現地の生産者・加工業者との情報交換や最新の施設を視察したほか、各種トレードセミナーの開催、3回目の開催となり過去最高の17店舗の人気レストランが参加したレストランフェア、FOODEX JAPAN 2024への出展など、より多くの日本の人々にアイリッシュグラスフェッドビーフの魅力を伝えるプロモーションを大々的に実施した。今年も昨年同様にさまざまなプロモーション活動を展開予定だ。
冷蔵で輸入されているプレミアムビーフに関しては、レストランフェアで前年比142%増となるアイリッシュグラスフェッドビーフの販売量を記録したほか、参加した17店舗の9割のシェフから継続してメニューに取り入れていきたい、または今後のメニューでの取り扱いを検討すると高い評価を得て、今後のさらなる成長を見込んでいる。
フェアで実際にアイリッシュグラスフェッドビーフを食べた消費者からは「赤身だが軟らかく、牧草牛特有の臭みもない」「しつこくないので、思ったより量が食べられた」「コクがありおいしい」などの好意的なコメントが多く集まり、舌の肥えた日本人の消費者を満足させるアイリッシュグラスフェッドビーフの高い品質が裏付けられている。アイリッシュグラスフェッドビーフは、アイルランドの恵まれた自然環境のもと、ビタミン・ミネラルが豊富な牧草で育つ。軟らかでうまみとコクのある赤身肉は、ミシュランの星付きシェフからも高く評価されている。
アイルランドの農場は99%が家族経営であり、牛たちは年間220日以上をのびのびとした放牧環境で大切に育てられている。抗生物質・ホルモン剤不使用など安全性はいうまでもない。国を挙げて永続的な畜産を目指し、サステナビリティや動物福祉への配慮も世界一厳しいとされるEU基準に基づいている。食べ物の生産背景に関心が高まる中で、注目されている牛肉となっている。