鏡もち商戦で小型タイプ健闘 包装もち業界は新たな食シーンを提案へ

鏡もちは年末売上げのヤマ場に欠かせない最重要カテゴリー

鏡もちは年末売上げのヤマ場に欠かせない最重要カテゴリー

令和最初の正月鏡もち商戦は、小型サイズが求められ、新時代を反映するトレンドが見られた。豪華さやキャラクター付きのこだわり新商品が出揃い、大陳した売場の見栄えや彩りを演出。しかし、消費を大きく刺激するには至らず、小型タイプは健闘も全体では伸び悩んだ。暖冬の影響もあり、好調な包装もちを含めたもち全体でも足踏みの状況。迎えた2020年はこうした環境を踏まえ、最需要期以外のもちの通年消費喚起策がより重要視される。

鏡もちの大小二つ重ね合わせは陰と陽(月と日)を表し、福徳が重なって縁起が良く、めでたく年を重ねる意味を持つ。年初に年神様を迎えるため、暮らしを支えている玄関や台所など家の主たる所全てに感謝を込めて供えるのが伝統だ。

一般的には1月11日に鏡開きをして、雑煮や汁粉を食べる。お年玉は、現金ではなく鏡もちを子どもに配ったことを由来とする説もあるほど根付いている。

鏡もちは年末売上げのヤマ場に欠かせない最重要カテゴリー

ただ、ライフスタイルが大きく変わる中で、こうした日本の伝統文化離れが加速している。住環境では多くの家に床の間がなくなり、薄型テレビの普及で鏡もちを飾るスペースが激減。世帯構成も変化し、文化を伝承することが困難な状況だ。さらに高齢化でもちを食べられる口の数も減るなど、逆風が相次ぐ。

厳しい消費環境だが、鏡もちはシーズンの約1ヵ月だけで110億円規模を販売するとされ、年末の売場にとって最重要カテゴリーの一つであることは変わらない。メーカーも消費者の変化に対応して、上下一体型からより簡便な個装の小もち入り商品のラインアップを充実。一体型でもニーズに合わせ、大型・中型より小型サイズを拡充している。

昨年末は、令和最初の晴れやかな正月を演出するため、売場で目立つように金で見栄えを豪華にしたパッケージが多く投入されるなど、各社の努力が見られた。

年末までの販売実績はまだ公表されていないが、鏡もちでトップシェアの越後製菓は「小型タイプが健闘した」という。小型の中でも圧倒的に市場構成比が高い160g一体型は堅調の着地見込みで、今後もこの流れは続きそうだ。

2020年の包装もち業界は、通年での消費喚起策がより重要度を増す。包装もちでトップの佐藤食品工業では、酸素吸収機能を持つ透明な個包装の「ながモチフィルム」の特性を訴求。高い品質を長期間維持できるため、冬に偏りがちな需要を夏場にも醸成。アウトドアへの提案やインバウンドへの期待など、非需要期の新たな食シーンを創出する。

また今年は、鏡もちを含む包装もち市場全体にとって、原材料の水稲もち米価格高騰が課題だ。もち米の作付けは近年減少傾向にあったが、自然災害でさらに昨年は厳しい生産量となりひっ迫傾向を示している。 需給安定のための原料価格維持に加え、人手不足や物流費の高騰も加わるため、商品の値上げは必至の情勢。業界を挙げて、厳しいコスト環境への理解醸成が求められる。

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