チーズ消費量、4年連続で過去最高 課題は市場の裾野拡大と成長持続

国内チーズ消費量の伸長が続いている。農林水産省が7月に発表した「チーズの需給表」によると、2018年度(18年4月~3月)のチーズ総消費量は前年比4.1%増の35万2930tとなり、4年連続で過去最高を更新。同期間の総務省「家計調査」(2人以上の世帯)でも金額ベースで4.9%増、数量ベースで1.4%増と推移しており、昨年は大手メーカー中心に価格改定を行ったものの、底堅い需要を維持している。購入年齢層は健康効果報道を追い風に中高年層が拡大したものの、今後の成長持続を維持していくためにも、若年層へのアプローチ強化による市場の裾野拡大が課題となっている。=関連記事8~13面(小澤弘教)

18年度は、ナチュラルチーズ(NC)で3.7%増の21万0367t、プロセスチーズ(PC)で4.5%増の14万2563tとなった。NCは輸入数量全体で2年連続伸長したが、国内生産量は2年連増で前年を割った。関税割当との関連もあるが、直接消費用は輸入・国産とも前年をクリアした。PCでは、国内生産量・輸入数量ともに増加しており、喫食シーンでも即食性の高い商品などのニーズが高まっていると考えられる。

昨年度は、「話題に事欠かない年」(メーカー)となった。NCでは健康効果に関するTV報道で、中高年層を中心に需要が急上昇。「カマンベールに認知症予防効果」「ブルーチーズで血管年齢若返り効果」などカテゴリーごとの機能面についての価値が浸透。「家飲み」需要による市販用の拡大も見逃せない。SNSでも、ストリングを使った「じゃがアリゴ」など、これまでにないメニュー・レシピの拡散や、「チーズタッカルビ」など「映える」メニューの通年化があり、若年層の消費を喚起した。

昨年は大手乳業メーカー中心に価格改定を実施した。通常、値上げを実施したシーズンは数量が苦戦する傾向があるが、今回は価格を据え置くメーカーもあり、業界内で足並みがそろわなかったのが実情。結果、「市場内でのプレーヤーのバランスが変化」(輸入商社)し、特に市販用で構成比の高いスライス、シュレッドでは、より価格競争力の高い商品に消費が移っている。

伸長の続く市場だが、今後は持続的な成長に向けた施策が必要となる。現在は中高年層の購買力が旺盛だが、若年層に対していかに継続的に消費を喚起していくかが業界全体の課題といえる。

そうした中、今年は秋冬の最需要期に向けて、各社新商品を投入。個食対応品や、新機軸商品などを発売。家庭用や業務用外食メニュー提案も積極的に進めており、さらなる裾野の拡大を目指している。

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