コメ関連品で生鮮連動、カテゴリー超えた販売活発化 内食、健康、時短キーワード

農産加工 ニュース 2021.04.21 12218号 02面
ベジビーフンの青果売場販売(阪急オアシス石屋川店・阪急オアシス提供)

ベジビーフンの青果売場販売(阪急オアシス石屋川店・阪急オアシス提供)

 旺盛な内食需要を追い風に、健康志向や調理時短をキーワードにしたコメ関連商品のカテゴリーを超えた販売が活発化している。ビーフン最大手ケンミン食品は、青果売場向け新商品「VEGE BE-FUNカット野菜とチンする焼ビーフン」で、阪急オアシスと取り組んだ生鮮連動販売が成果を挙げる。ふりかけの三島食品は、ファンケル「発芽米」や、はくばくの「もち麦」「ミックス雑穀」との関連販売をスタート。こうした取組みに対する流通側の反応も上々で、今後さらに広がりそうだ。

 阪急オアシスは近畿地区49店舗で、ベジビーフンの青果や精肉売場での販売をスタート。1店舗当たりの日販が、通常のグロッサリー売場なら0.5~1食のところ、コンスタントに2~3食は売れるなど、成果を挙げる。そこで阪急オアシス側は「時短メニューに最適で、農産のカット野菜と関連販売で、健康的な食提案もできる」とコメントする。

 一方、ケンミン食品は「メーカーにとって商習慣上、ハードルが高いクロス販売だが、顧客利便性が高いことを現す好事例。他のスーパーからも販売要請が来ている」(高村祐輝社長)とし、同品の販売協力を目的に3月、神明グループで、モヤシやカット野菜を展開する名水美人ファクトリーと業務提携を締結した。

 三島食品は、ふりかけに直結するコメ消費を盛り上げようと、コロナ禍で好調な健康米メーカー大手と連携。季節の催事に合わせて、双方の商品を使ったメニューを提案している。併せて、ノベルティーとしてサンプル品添付や、販売先への同行営業など、多様に活動している。

 まず1月3日の「3日とろろ」に合わせ、はくばくの「もち麦」入り麦ご飯に「ゆかり四姉妹」入りカラフルなとろろをかけたメニューPOPを付け、関連販売を関西地区有力スーパーの生鮮売場でエンド展開した。流通側の反応も良く「麦とろの日」などの催事にも水平展開する考えだ。

 発芽玄米最大手のファンケルは「発芽米」に「ゆかり」を添付した商品を一部スーパーで2月、販売開始した。ライフの関東114店舗で販売したところ、1週目は前年比14.6%増、2週目は同4.1%増と成果を挙げた。業務用でも、弁当やおにぎりのメニューを共同で作り、中食メーカーや流通に提案している。=関連記事8~11面

 (佐藤路登世)

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