地域ルポ 練馬区関町(東京・青梅街道沿い)=2 住宅街控え地域のコミュニティー空間
京樽善福寺店(関町南二‐一‐一二、Tel03・3929・6712)。
地域のロードサイドレストランではこの店だけが、青梅街道下りに位置している。店舗面積一二〇坪、客席数一二六席、駐車能力二五台。
向背地は杉並区と武蔵野市の住宅街で、地域住民のコミュニティー空間としての機能も果たしている。
オープンは一〇年前。店が老朽化してきているので、9月に内装工事を実施する計画だったが、まだペンディングの状態だ。
内装がくたびれて、店内がうす暗いという印象だが、全般的にみてもビビットさが不足している感じだ。
京樽はテークアウトすしショップとレストランを展開、年商六〇〇億円に迫る外食ビジネスの大手だが、バブル期の攻めの戦略がたたり、ポストバブルは売上げの伸び悩み、不採算店のスクラップと、マイナス成長を強いられている。
こういった水面下の事情があって、店舗にも活気がない雰囲気が漂っているわけだ。それはともあれ、京樽は和食メニューのバリエーションで独自性を打ち出しており、安定した集客力を発揮している。
人気メニューはすし、天ぷら、麺類などのセットメニュー(一二八〇~一四八〇円)や、煮物、揚げ物、刺身、サラダなどの一品料理(一八〇~六八〇円)。
このほか、江戸前、上方すしの店内テークアウトも評判で、店売りの一割前後のウエートを占める。客単価昼一〇〇〇円、夜一五〇〇円。月商約一五〇〇万円。
営業時間午前11時~午後8時30分。
ケンタッキーフライドチキン関町店=写真(関町南一‐九‐一、Tel03・5991・7135)。
八三年4月開店。直営店。今年はオープンして一四年目を迎える。地域の老舗的存在のロードサイドレストランだ。二階建て店舗で延べ面積約一〇〇坪、客席は一階一〇席、二階四〇席を合わせ五〇席。
この店はドライブスルーの機能を付加しているが、店舗利用の七、八割は地元客だ。
主力商品はもちろんフライドチキン(一ピース二〇〇円)、セット(一〇ピース)一八〇〇円だが、9月に入って導入したピタサンド(二種)三五〇円も貢献度の高い人気商品だ。
客単価六〇〇~七〇〇円、月商一二〇〇‐一五〇〇万円(推計)。売上げの三割はドライブスルー客が占める。
営業時間午前10時~午後10時。
レッドロブスター関町店(関町南一‐四‐五、Tel03・3928・5171)。
京樽の真向いに位置している。スーパージャスコ(イオングループ)系列のチェーン店。
現在、出店数は四一店。バブル期は五〇店を数えたが、不採算店はスクラップした。新規出店は年間一、二店のペース。
関町店は一〇年前のオープン。老朽化していたので昨年5月全面改装し、木造り感覚のシックな雰囲気に変身した。ピロティスタイルの店で、店舗面積一〇〇坪、客席数一一〇席、駐車能力四五台。
この店はアメリカ東海岸から直送されてくるロブスター(一四八〇~三二八〇円)やカニ料理(二四八〇~四五八〇円)が売りもので、同じロードサイド立地でもすかいらーく、デニーズ、ロイヤルなどの「ファミリーレストラン」(FR)とは異なった運営形態をアピールしている。
「FRとは異なったもう一つ上のランク、リッチな気分で本物の料理がわかる“大人の雰囲気”のレストランを狙っているのですが、正直いって一〇〇%まだ思惑どおりにはなっていません。でも、リッチな日本、こういったタイプのロードサイドレストランがあってもいいのではないかと、社の方針もあってチャレンジしているところです」と、スーパーバイザーを兼務する銅崎雅久店長は話す。
10月には秋冬メニューとして、ニュージーランド産のカキも入ってくる。新鮮な素材が売りということだが、パーナ貝のマリネ、シーフードマリネ、フライドカラマリ各四八〇円、シュリンプカクテル七八〇円などのつまみ類もあり、生ビールやワインともフィットする。昼はシーフードのランチ七八〇~一五八〇円も提供。
客単価は夜で三二〇〇円。月商一五〇〇~一六〇〇万円のレベルだが、目標は二〇〇〇万円。明年内にはクリアする意気込みだ(銅崎店長)。
営業時間午前11時~午後9時。