京都の北山通り周辺は、大学や現代風のおしゃれな建物が並ぶ若者の多い街だ。通り沿いの紅茶専門店「北山紅茶館」は、オーナーの池田邦子さんが「アットホームなティータイムを楽しめる場に」と六年前オープン。山小屋風で落ち着いたムードが、若い女性やカップル、主婦層に人気だ。

自宅で料理教室も主宰する池田さんこだわりのランチは二種類で、売り切れも珍しくないのがＢセット（一〇〇〇円・紅茶かコーヒー付き）。「普通ではおもしろくない」とボックス型にしたサンドイッチが受けている。

約五センチメートルの厚切り食パンの中央をくりぬき、手作りカレー、ツナのマヨネーズあえを詰めたものでボリュームたっぷり。オーブンで焼いてありトーストのサクサク感も楽しめる。

特にカレーは、じっくり煮込んだ牛スネ肉と野菜がゴロゴロ入っているのに驚く。「カレーは万人受けするものだし、お肉がごろんと入ってるとうれしいでしょう？」と笑う池田さん。

「市販のルーをブレンドして隠し味にケチャップなどを加えるだけの家庭の味ですが、喜んでもらうのが何より」。セットの紅茶は、二人分なら陶器のポットに入れてろうそくの火で温めてくれる。なにげないもてなしが舌と心にしみる。

◆「北山紅茶館」（京都市左京区松ヶ崎雲路町六‐一二、０７５・７２１・８５８６）

営業時間=午前１０時～午後９時（ランチタイム午前１１時３０分～午後２時）、年中無休