焼き肉特集:多店舗化に拍車、低下する客単価 専門店からレストラン業態に変革

2001.08.20 234号 7面

全国に二万〇四九七の店舗があり、約一二万人の従業員が働いている焼き肉店(総務庁統計局経済統計課、平成11年度事業所・企業統計調査)。大阪府には鶴橋という焼き肉ではあまりにも有名な街をはじめとする二一八五の店舗があり、全国トップの東京都の二一八七店舗と合わせると全国総店舗数の二割強を占める。一方従業者数では、大阪府は東京都の一店舗当たり平均七・二人よりも約三割弱少ない五・三人で、個人商店が多く、西日本は相対的に小さい店舗であることが統計からうかがえる(別表参照)。近年、肉の規制緩和をきっかけとして、全国的にかつての専門店の焼き肉屋からリーズナブルな焼き肉レストラン(チェーン店)へと業態の勢力図が変革してきた。この“新焼き肉時代”に大阪府に本社があり直営展開とFC展開のそれぞれで出店を進める企業をレポートした。

JFや全国焼肉協会の統計では焼き肉店の店舗数(ともに協会加盟者データ)は急速に増加し(二〇〇〇年度対前年比、JF一一〇・五%、全国焼肉協会一一〇・七%)、業界として一見好調のように見える。しかしながら既存店の数値を見ると売上高九五・九%、客数九七・四%、客単価九八・四%(JF統計、二〇〇〇年度対前年比)と前年を下回るとともに外食業界全体の平均値(同九六・五%、九七・三%、九九・二%)と同等か低くなってきている。

売上高マイナスの要因の一つに、ファストフードからスローフードまで全業態に押し寄せている低単価の波と、それを補う形で大手が生き残りをかけ進める新規出店がオーバーストアの状況を招き、低価格と合わせて結果的に既存店の売上げの減少を加速させている。

一方焼き肉業態は、規制緩和から原材料の肉の価格がダウンしてきたことや、無煙ロースターなど設備・機材の進化から、企業が多店舗展開を行える体制ができてきたものの、メニューの幅が少ないことや昼食の需要が極めて少ないという特性から多店舗出店によるスケールメリットがでにくい。

逆に、ファミリーレストランの洋食・和食・中華や、居酒屋、ファストフードの回転ずしなどとの競合から客単価が一〇〇〇円台の争いに発展する様相もみせている。

いずれにせよ客単価ダウン傾向は地方都市へもエリア拡大していく。焼き肉をはじめとする専門業態は、出店時の投資回収から家賃、坪効率などのコンセプトを明確に持ち、いずれ来るさまざまなトレンドの変化に対応できなければ存続はない。

また最近においが問題になり、新規出店時の店舗の周辺との折衝の中でも議題に上がる。

「周辺の環境に配慮し、地域に密着した営業活動をおこなうためには現在定着しつつある無煙の機能に加え、無臭機能の導入が必要だ」(山岡金属工業(株)市場開発課幸徳氏)防災に対する企業責任としても、フィルターで油をとり、ダクト火災を未然に防ぐ対策が急務とされている。

浪速商人の典型例が二四時間営業を掲げ、空調・厨房・店舗の設計・施工を行うカナオカ機材(株)(電話06・6787・1440)。納期に間に合わせるためや、トラブルに駆けつけ夜を徹することに労を惜しまない。力強いサポーターである。

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