ニューウェーブ・外食ビジネス:米ホットドッグチェーン「ネイサンズ」が上陸
アメリカの老舗ホットドッグチェーン「ネイサンズ」の日本一号店が、東京・原宿の中心部、ラフォーレ原宿前に昨年末オープンした。
ネイサンズは一九一六年創業。ニューヨーク近郊のビーチ、コニーアイランドに誕生し、現在は米・東海岸を中心に三〇〇〇店を展開、NYヤンキーススタジアムのオフィシャルホットドッグに採用されている。中国やエジプトなど海外進出も盛んで日本は一四ヵ国目。
米ネイサンズ・フェイマス社と独占マスターフランチャイズ契約を交わし日本での運営を行うのは(株)ネイサンズ フランチャイジーオブ ジャパン(東京都新宿区、電話03・5919・3611)。関根正義社長は、モスバーガーの初代スーパーバイザーを経てフランチャイズ四店舗を運営した経験を生かし、ネイサンズのフランチャイズ化に挑む。
「日本のファストフードの仕入れ原価は三八~三九%。対しネイサンズは約三二%と収益性が高い」と関根社長。「レストラン(店舗)、キオスク(屋台)、カート(移動車両)の三パターンの出店モデルで五年後二〇〇店舗展開を目指す」という。
出店加盟の初期投資はレストランで三〇〇〇万~四〇〇〇万円、キオスクは八〇〇万円、カート三〇〇万円。目標月商はレストランで八〇〇万円を見込んでいる。
原宿の店舗は二タイプ。明治通りに面しカラフルな看板が楽しげに誘う一階にはスタンド型店舗。その脇の階段を下り地下一階には三四席のイートイン店舗がある。
メニューはいずれも米ネイサンズ・フェイマス・システムズ社のレシピで製造。ビーフ一〇〇%使用のホットドッグ四種のほか、ハンバーガーやクリンクルカット・フレンチフライ、フィラデルフィア名物のチーズステーキ、クラムチャウダースープなどがある。
NYっ子の魂・ホットドッグを移入するだけに、こだわりはひとしお。「当社のビーフ一〇〇%のフランクフルトはポークソーセージとはひと味違い、濃く深くほんのりスモーキーなビーフの風味が楽しめる。一口かむと外皮がぷちんとはじける焼き加減を実現するため、米国製の専用グリドルを導入した」(関根社長)
ところが12月の開店直後、BSE騒動が発覚。この店も全面和牛に切り替えるなど、予期せぬ対応に追われた。
もう一つの売り物がフリートッピングだ。サワークラウト、オニオンソテー、グリーン・レリッシュ、オニオン(生)がマスタード、ケチャップと一緒に調味料スタンドに置かれ、好きなだけトッピングできる。
横山東洋夫会長は「ネイサンズの味やシステムを大切にすることはもちろん、歴史やキャラクターも生かし、ホットドッグ文化を日本で改めて育てていきたい」と語る。
毎年7月4日の米独立記念日にネイサンズが開催するホットドッグ大食いコンテストではここ数年、日本人の小林尊氏が優勝を続けている(昨年の記録は一二分間で四四個完食)。ヤンキースの松井選手の活躍もあわせ、ネイサンズの日本での快挙にも期待がかかる。
◆「ネイサンズ」原宿店所在地=東京都渋谷区神宮前四‐三一‐一〇、YMスクエア一階、地下一階、電話03・5414・7061/営業時間=午前11時~午後11時、無休/http://nathans.co.jp
◆(株)ネイサンズ フランチャイジー オブ ジャパン本部所在地=東京都新宿区新宿一‐六‐五、シガラキビル六階、電話03・5919・3611