飲食店成功の知恵(25)開店編 開店告知の効果的やり方

1993.07.05 31号 5面

《初心者は実戦経験後に》 長引く不況で出店ペースはダウンしているとはいうものの、それでも新しいお店が次から次へと誕生している。開店告知の重要性は高まる一方である。ともかく、自店の存在を強くアピールしないことには、お客に自店も選ばせることはできないからだ。

ところで、開店告知の考え方には通常、次の二通りがある。

①オープン前から早々と宣伝をかける

②営業に慣れてから宣伝をかける

一般には、お店の規模や業種・業態にかかわらず、大体①の方法が採られているようだが、本来、宣伝は安易にかけるものではない。つまり、この考え方を言い換えれば、

①開店の経験者向き

②初めて開店する人向きということになる。なぜ、初めて開店する場合は②の考え方が賢明なのか。その理由の第一は、開店はしてもまだ、一人前の飲食店としての態勢が整っていないことが多いからだ。

確かに、宣伝をすればお客はより多く集まる。しかし、そこで評判を落とすようなことになったらどうなるか。いまのお客は二度と来店してくれないと考えた方がいい。開店直前の時期は、何かと雑事に追われるし、慌ただしいままにオープン日を迎えることが少なくない。よほど開店経験が豊富な人でなくては、いきなりまともな営業をするのは不可能といっていい。それに、何事でも慣れていないと、思わぬところで悪い面が出てしまうもの。こんな状態で宣伝をかけるのは、かえってマイナスでしかないのである。

従って、初めて開店する小規模店は、一週間なり二週間なり“実戦経験”を積みながらじっくりと調整し、これなら大丈夫と自信を持てたときに初めて、宣伝をかけるべきなのだ。商売とは息の長いもの、それからでも決して遅くはないのである。

《効果薄い折り込みチラシ》 宣伝の方法としては、新聞の折り込みチラシがよく使われる、が、実際には、この方法は効果が薄くなってきている。例えば、スーパーやディスカウントショップの広告ならお客がワーッと集まるのだが、これだけお店の数が増え、消費者も外食に慣れてきたいまの時代に、そういう効果は期待しない方がいい。やるのなら、一種のイメージ広告と割り切って長期的な効果を狙うべきだ。

それに代わる方法としては、お店のアピール、メッセージを入れたポケットティッシュ配りがある。ただし、これはやり方によって効果が大きく違ってくる。

例えば、昼食時間帯が過ぎてお店が暇になった時(アイドルタイムという)に、店頭で配っている光景をよく見かけるが、あれではほとんど意味がない。一般にこの時間帯には、お店が暇なだけでなく、人通りも少ないうえに、通行する人々の飲食店への関心も薄れているからだ。そもそも、こういうやり方をするのは、宣伝費をケチッているからなのだが“片手間”でうまく運ぶほど、この世界は甘くはない。やるならアルバイトを雇って、人が集まる時間、場所でやるべきだ。そのためにも、開店宣伝費はオープン費用として計上し、余裕をもって確保しておかなければいけない。

一方、開店経験のある人なら、オープンの一ヵ月くらい前から、商圏エリア内の事業所、商店街をくまなく回り、挨拶しておくといい。住宅地ではポストにチラシを投函するだけでもいいが、顔を合わせられるようならできるだけ声をかけること。もちろん、お店のユニホームを着て、明るくキチンと挨拶しなければならないことはいうまでもない。特に、言葉づかいや身だしなみには十分注意すること。あなたは動く宣伝塔なのである。

フードコンサルタントグループ

チーフコンサルタント 宇井 義行

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