話題の輸入食材 幻のジャコウ牛肉、究極のグルメ北極牛が登場

1992.08.03 9号 19面

ごく最近まで世界のシェフから“幻の食材”と呼ばれていたカナダ北極圏にしか棲息しない「ジャコウ牛」の肉がいよいよ日本市場にも登場、本格的に流通することになった。

これはカナダ大使館商務部とカナディアンポーラープロダクツ㈱が、このほどフードサービス関係者を招き開かれたジャコウ牛の特別料理試食会で明らかにされたもの。究極のグルメ用ミート天然北極牛は、北米ではマスコックス(MUSKOX)、日本名でジャコウ牛と呼ばれ珍重されている。昨年5月のカナダ大使館新庁舎オープンでマルルーニ首相が来日して開かれたレセプションにメニューとして「北方産じゃこう牛テンダーロイン・ロースト、ポテト・ガーリック・デイップ添え」が出されており、高円宮様や当時の海部首相などが賞味して絶賛している。

ジャコウ牛は、現在カナダ北極圏のバンクス島に約四万頭が棲息している。冬はマイナス五〇度にも達する極寒の自然環境の中で、ツンドラの草だけで育っている。配合飼料や抗生物質、ホルモン剤を与えられて肥育された一般牛の牧場牛とは違い、食肉牛には一切の化学物質が含まれていない。

肉質は非常にジューシーで牛、豚より柔らかく、カナダ・ラコム・ミート・リサーチ研究所によって科学的に証明されている。また、コレステロール値が牛肉の一五%以下、飽和脂肪三七%以下、カロリー三二%以下と、他の肉料理に比べてヘルシーで、その上肉の味は牧場肥育牛では味わうことの出来ないこくがあり、日本料理、西洋料理、中華料理など、どんな料理にも適しており、希少価値の高い新しいグルメ料理の素材として最適とされている。一九九一年4月にサンフランシスコで行われた全米シェフ協会主催の試食テストでも、このジャコウ牛はコンテストの食肉部門において金賞を受賞している。

日本市場へは、昨年4月にカナダ北極圏の食材を世界中に供給しているイヌイット(旧称・エスキモー)資本で設立されているウマヨット(UMAYOT)社の一〇〇%出資の日本法人・カナディアンポーラープロダクツ㈱(千葉県市川市広尾一‐五‐五‐五〇四、0473・99・3799)が輸入総代理店として販売業務に当たる。

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