メニュートレンド:うさぎ唐揚げ ジビエ初心者に好評 「ワイン&ジャパニーズタパス 禪べぇ」

2013.06.03 411号 02面
つけ合わせの野菜は季節によって内容を変える。バルサミコとバジルソースを組み合わせたソースとチリソースでフレンチらしい彩りと味わい方を提案

つけ合わせの野菜は季節によって内容を変える。バルサミコとバジルソースを組み合わせたソースとチリソースでフレンチらしい彩りと味わい方を提案

オープンは2005年。当時まだ少なかったワイン酒場の先駆けだ。客層は食にうるさい地元住民や観劇などに訪れた若者客まで幅広い

オープンは2005年。当時まだ少なかったワイン酒場の先駆けだ。客層は食にうるさい地元住民や観劇などに訪れた若者客まで幅広い

 ワインとジビエ料理との相性のよさは誰もが知るところ。だが、ジビエを素材に使った居酒屋料理でワインとのマリアージュを提案して客層の間口を広げる「ワイン&ジャパニーズタパス 禪べぇ」のような独自性を打ち出した店は少ない。看板メニューのひとつ「うさぎ唐揚げ」もジビエと居酒屋の融合から生まれた、創意あふれる逸品である。

 ●ワインとジビエを居酒屋感覚で楽しむ シンプル調理でウサギの味しっかり訴求

 同商品を開発したのは2年ほど前。同店ではオープン当初から鹿やイノシシ、カモといったジビエ料理やフォアグラなどの希少肉を手軽な価格で提供して人気だが、さらにジビエメニューを強化するためウサギに着目した。

 「ウサギは煮込み料理などで提供する店が多いですが、それでは何の肉を食べているのか伝わりづらい。唐揚げならシンプルで肉の味が分かりやすいし、気軽に注文しやすい。ワイン、ビール、焼酎とどんな飲み物にも合う。ウサギを唐揚げで出す店は他にはなく、独自性も訴求できます」と店主の桑田禅さんはメニュー開発の狙いを語る。

 ウサギは、もも肉だけを使用。小麦粉と片栗粉にローズマリーを加えた唐揚げ粉で衣付けして揚げる。仕上げに塩味が効いたイタリア産のチーズ「ペコリーノロマーノ」を振り掛けて風味を高めてる。「ウサギの肉は淡泊なうえに水分も多い。ただ揚げただけではジビエ臭ばかり目立っておいしくないのです」と桑田さんは語り、仕込みに手間をかけて肉の食感を高め、ジビエ臭を抑えて食べやすさを追求している。食べてみると、地鶏のような弾力のある歯応え。淡泊ながら、かむほどに独特なうま味が広がる。

 価格は980円とリーズナブル。「ジビエ料理未経験の若者客が、気軽にチャレンジしてもらえるよう、1000円以下に抑えるよう努力しています」と桑田さん。

 同店のコンセプトは、ワイン居酒屋。ジビエ料理だけでなく、刺し身や枝豆といった居酒屋メニューを揃えて気軽さをアピール。ワインは2500~6000円と手頃な価格帯で常時60種類以上を揃える。ソムリエの資格をもつ桑田さんが厳選し、お客の好みに合うものを提案する。今後も「ワインに合う居酒屋料理を追求して、他にはない付加価値を出していきたい」と桑田さんは意気込む。

 ●店舗情報

 「ワイン&ジャパニーズタパス 禪べぇ」 店舗所在地=東京都世田谷区北沢2-7-8 1F、電話03・5453・6111/開業=2005年9月/営業時間=午後5時~深夜0時、火休/坪数・席数=15坪・28席/客単価=3500円

 ●愛用資材・食材

 ○「キユーピー イタリアンテ バジルソース」

 キユーピー(東京都渋谷区渋谷) 規格=150g(常温)

 ○「ゴメチリソース」

 カゴメ(愛知県名古屋市中区錦) 規格=210g(常温)

 料理彩るソース活用 調理省力化に貢献

 「うさぎ唐揚げ」の盛り付けを彩るソースに使用。バジルソースはバルサミコ酢と組み合わせて黒と緑の上品なコントラストを表現、チリソースはそのまま使っている。「用途がウサギ唐揚げだけなので、少量サイズの家庭用で探しました。どちらも風味が控えめでそのまま使っても素材の味を引き立ててくれます」と桑田さん。少数スタッフで切り盛りするため、オペレーション省力化にもつながっているという。

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