メニュートレンド:「天津飯」の魅力を刷新 トッピングと組み合わせで潜在価値向上

2026.09.07 571号 23面
「天津飯」はとろみをつけて卵や飯との絡みを高める。「天津麺」ではとろみをつけずに麺ののど越しのよさを優先する

「天津飯」はとろみをつけて卵や飯との絡みを高める。「天津麺」ではとろみをつけずに麺ののど越しのよさを優先する

主役の卵は片面半熟焼きに仕上げる。ニラなどトッピングによっては盛り付けるのではなく、卵に混ぜて調理する。あんは、自家製のかえしをがらスープで希釈して、水溶き片栗粉でとろみをつける

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ギョウザやシュウマイ、レバニラ、はたまた北京ダックまで、専門店化が進む中華料理に、期待の新星が登場。その名も「天津飯専門店TENTEN」(東京・町屋)だ。店名のとおり「天津飯」を“あん”やトッピングのバラエティーで、新たな魅力を提案している。オムライスに続く「卵料理」の新機軸となるか。同店のポテンシャルをレポートする。

●“和の味”で新たな可能性

「天津飯は醤油味だったり甘酢味だったり、“あん”の味付けが店によって異なる。客としては、初めての店では、どんな味なのか提供されるまでわからないのが難点でした。そこで、客が好みのあんを選べるスタイルにすれば、天津飯の魅力を広げることができるのでは、と考えたのです」と、オーナーの石田敏之さんは業態づくりの経緯を語る。

選べるあんは、「塩」「醤油」「白出汁」の3種類。塩や醤油のあんこそなじみがあるが、「白出汁」というのは聞き慣れない。食べてみると、カツオだしの風味が広がる滋味深い和風あんだ。ほっとする味わいが、とりわけ年輩客や子ども客に好評で、同店一番人気のあんとなっている。中華の王道から外れるが、バラエティーを打ち出す専門店ならではの“オリジナル”として認知された好事例だ。

「“白出汁”は調理担当のスタッフの提案により採用したもの。炊き込みご飯用の白だしをベースにしていますが、天津飯のあんに適した調味バランスに調えるのに2ヵ月以上の試作を繰り返しました」と石田さんは振り返る。

また、このほど「麻婆豆腐天津飯」を新たに開発。さらには「開業前から試作を続けている“甘酢あん”の完成を目指しているところです」と石田さんは、あんのバラエティー拡大に意欲を見せる。

型にはまらない独創性は「天津麺」でも発揮。選べる麺3種は、うどん、そば、かた焼そばと、どれもユニークな組み合わせを見せる。

500円という、思い切った価格設定も魅力。新規客がお試し来店しやすく、認知度の低さを補っている。他方、トッピング・アイテムをニラ130円やチーズ190円、カニ600円など13種と豊富に揃える。「あらゆるレイヤーで選択肢を用意して、お客さまオリジナルの天津飯を楽しめる店にしていきたい」と石田さんは思いを語る。

●店舗情報

「天津飯専門店 TENTEN」

所在地=東京都荒川区荒川4-11-2/開業=2026年4月/坪数・席数=10坪・15席/営業時間=11時30分~14時30分、17時~22時。土・日曜、祝日休/平均客単価=昼1000円、夜2500円

●愛用食材・機器

「蔵出し本みりん」 盛田(名古屋市中区)

多彩なタレのうまみを下支えする

天津飯の味の柱である“あん”作りに採用。主張しすぎない上品で厚みのある甘味とうまみで、3種のあんの味を下支えする。食材選定にはこだわらず、コストと品質の両立を実現すべく、随時試行錯誤を繰り返している。

規格=1L

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