アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:12月の贈り物、様変わり ファッションジュエリーも自分で買う
クリスマスにファッションジュエリーを贈る–そんな風に思うのは、少数派になってきたようです。昨年のクリスマスのファッションジュエリーの売上高は、多くのブランドで前年並みから前年比5%増程度にとどまりました。しばらく原料高が続いた結果、値上げも相次いだため、客単価は高まりましたが、ギフト需要が伸び悩みました。12月の客数が減ったのが最大の要因です。
ファッションジュエリーは、百貨店の1階などを主な売場として全国で販売されています。ファッション業界ではアクセサリーの範疇としてとらえ、百貨店の高層階にある宝飾品としてのジュエリーと区分されてきたアイテムです。誕生日のプレゼントなど、男性から女性への贈り物としてポピュラーであり、長い間、クリスマスギフトの主役であり続けてきました。
そのクリスマス商戦が様変わりしています。繊研新聞社が12月の既存店売上高などを8ブランドに聞いたところ、客数で前年を上回ったブランドはゼロでした。消費が二極化し、全体の商品単価が上がったことで、低価格のギフト需要はコスメなどに流れたようです。
ただし、女性が自分用に購入する“自家需要”は好調で、10万円以上のK18ネックレスやリングなども売れています。自分で買う女性を狙ったブランドは成功したわけです。
(繊研新聞社 取締役編集局長 若狭純子)