アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:“全身ガーリー”に陰り 甘さを抑えたスタイルが浮上?
人気の続いた“ガーリー・テイスト”が今春、少し落ち着きを見せてきました。この寄稿でも、リボンやフリル付きの女の子っぽいアイテムの勢いをご紹介してきましたが、ヤングレディース市場で「甘すぎるコーディネートの反応がよくない」という声が聞かれ始めました。2025年春は甘さを抑えて、スポーツやカジュアルテイストを取り入れる店が増えています。
色も、ピンクや柔らかなベージュが減り、代わってグレーやネイビー、アイスブルーが増えています。24年春夏は、リボンやフリルをあしらったトップにミニスカートの組み合わせが“鉄板”でしたが、今春はミニスカートの動きが鈍くなりました。トップはそのままに、「スウェットパンツやジーンズに置き替えるだけで売れ行きが良くなる」傾向です。
韓国のアーティストの“空港ファッション”の影響が強く、もともと陸上競技用のジャージーを意味するトラックスーツや、スウェットのセットアップなど、かわいいよりも“かっこよく”着こなす傾向が広がりつつあります。
一方で、半年先の25~26年秋冬に向けたパリやミラノのデザイナーコレクションでは、逆に、パワフルな“ガーリー”スタイルが発信されました。エレガントなファッションが軸足の大人の女性たちが、若々しいストリートスタイルを取り入れており、さまざまに影響し合うトレンドが見えるシーズンです。
(繊研新聞社 取締役編集局長 若狭純子)