ピカイチキッチン(93)シリーズ食品安全システムの構築<2>

2009.06.01 358号 16面

○現状分析の手順 正直な評価が大事

●現状分析の基本

前回食品衛生管理をシステムとして構築するためには、「己を知る」ことが極めて重要であることをお伝えした。今回は「己を知る」ための現状分析をどのように具体的に進めるのかを解説しておきたい。

よりよいシステムを構築するためには、この現状分析をいかに正確に行うのかが重要なポイントとなる。ここで陥りやすいポイントは、現状分析というと、自身の弱点を人目にさらすことになり、自分にとって不利益ではないかと感じる人もいる点である。自分が技量不足であるなら、技量不足として評価し、作業マニュアルの記載内容が不十分であるならばその通りに評価することが重要なのである。これをあいまいにして隠すことは、適切な対策が取れなくなり、システムとして成果の上がらない不十分なものとなる点、正直に評価することが不可欠である。そのうえで現状分析の対象はおもに以下のカテゴリーに分けて実施する。

●現状分析の手順

(1)製品に関する分析(顧客層、流通形態、製品特性)を把握する。

(2)組織分析(管理体制や要員数、管理システムの有無、管理水準)が適切であるかどうかを評価する。

(3)外部および内部環境分析(監督官庁の指導情勢、同業他社の事業環境、その他)を分析評価する。

まず、製品分析は顧客層の把握をする。ハイリスクグループの有無(例:乳幼児、高齢者、成人病、アレルギー患者など)や特に高度な品質と衛生管理などを要求する顧客はいるか(例:医療機関など)、主力となる供給先(消費者、メーカー、飲食店など)を考える。次に、流通形態は流通温度(冷凍、冷蔵、常温など)や包装形態(完全包装、簡易包装、未包装)などを明らかにする。次に製品の形態についても正確に把握する。例えば、賞味期限や消費期限の確認、加熱工程の有無。

さらに、ハザードの高い原材料使用の有無や特に高度な衛生管理の必要性の有無などを含む。さらに組織の分析をする。例えば要員の力量を知るためには、研修やOJTの実施状況とその成果を分析する。また、管理システムを把握するためには、現状使用しているシステムは何か(HACCP、ISO9001、衛生規範など)や、管理状況の検証手段、製品回収と緊急事態への対応手段が明確になっているかを分析する。最後に管理上の問題点や管理水準を把握するために、苦情や要望の把握とそれらの是正、対処方法を把握しているか、緊急事態のシミュレーションが定期的にされているかなどを含めて組織全体を分析する。組織分析で重要なポイントは可能な限り客観的に分析することで、偏りのないシステム構築が可能となる。

((有)本山フードビジネス研究所 代表取締役 本山忠広)

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