フードコンサルティング 上場企業にモノ申す(7)大庄グループ 居酒屋苦戦の中V字回復を達成

2012.02.06 395号 05面

長期にわたる居酒屋不振の中で、居酒屋「庄屋」「日本海庄や」「やるき茶屋」の三本柱を展開する大庄が、業績をV字回復させ注目されている。

居酒屋業態の不振要因は、若者のアルコール離れ、サラリーマンの節約志向や均一低価格商品などによる消費単価落ち込みなどによるといわれており、他の居酒屋チェーン店の今年11月の既存店実績は、ワタミ94.2%、ダイナック97.3%、コロワイド96.0%と大きく前年を下回っている中で、既存店売上げ前年比では、今年6月に2年7ヵ月ぶりに105.5%とプラスに戻してからは、11月103.0%と好調に推移している。

これは、昨年春に不採算店を100店舗(全店の15%)閉鎖する、思い切ったリストラを断行したことや、昨年4月には、魚介類に特化した新業態「大庄水産」の展開に乗り出して、家族連れなど新たな客層開拓にも成功したこと、加えて、赤城乳業の定番アイス「ガリガリ君」を使った“コラボ商品”を導入。「当たりスティックが出たらもう1杯!」のキャッチコピーで、夏季限定「ガリガリ君サワー」(税別380円)を販売。これが夏場の1ヵ月で12万杯売上げる人気商品になったことも話題となり、震災後に大手居酒屋各社が低迷を続けるなかで、昨年6月以降の同社売上げは3~5%ほど前年を上回る水準まで回復している。

大庄グループのV字回復の要因は、“不採算店リストラ”や“コラボ商品ヒット”に加えて、店舗運営の見直しも回復の大きなけん引となったようである。

2年7ヵ月間にも及ぶ長い前年実績割れから、従業員の士気も低下し、サービス低下が客数減少につながり“負のスパイラル”に陥っていたところ、これまで店長に任せていた店舗運営を見直して、営業本部が積極的に「従業員の接客向上」「効果的な販促指導」「ベテラン社員によるパート・アルバイトのスキル向上研修」などに関与するように変えていった。

業績向上には、車の両輪と同じで、リピーター確保できる“守り”と客数を増やす施策“攻め”のバランスが大切だ。

また、消費不況や若者のアルコール離れなど逆風を跳ね返すには、今以上に料理のお得感や接客レベルなど、品質を高めることも大事であることを大庄の事例は示しているといえる。

◆フードコンサルティング=外食、ホテル・旅館、小売業向けにメニュー改善や人材育成、販売促進など現場のお手伝いを手掛ける他、業界動向調査や経営相談などシンクタンクとしても活動。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら