北海道新春特集

総合 2020.01.28
北海道新春特集

 令和となり初の新年が幕開けした。北海道はこの冬記録的な少雪で、いつもなら白一色に染まる雪シーズンの様相が一変。札幌など市街地に近いスキー場は苦戦、雪まつりなど冬のイベントでも一部アトラクションが規模縮小したりと、雪不足による影響が出始めている。日常生活は雪かきの労力がかからず楽ではあるのだが、何かしらムードが違う新年の印象である。
 昨年は4月、道民の期待を集めて鈴木直道北海道新知事が誕生。「令和」の新元号がスタートした5月には、大樹町のベンチャー企業によるロケット打ち上げで悲願だった高度100kmの宇宙空間に到達、新時代へと夢をつないだ。またラグビーW杯やG20観光大臣会合の開催、新千歳とフィンランド・ヘルシンキ、オーストラリア・シドニーをそれぞれ結ぶ直行便が就航するなど、訪日外国人客増加の追い風となった。
 流通業界では、アークス、バローホールディングス、リテールパートナーズの3社による「新日本スーパーマーケット同盟」発足、伊藤チェーン(宮城県)のアークス傘下入り、コープさっぽろは中央スーパーと業務提携したほか、サツドラホールディングスと包括業務提携を締結、3月にはイオン北海道とマックスバリュ北海道が経営統合し新生・イオン北海道が始動するなど新たな競争環境へと突入する。第1次産業ではTPP11や日欧EPAに続いて1月から日米貿易協定が発効、市場開放の波が北海道農業に押し寄せる。
 水産業では秋サケ、昆布など基幹魚種の低迷に加え、サンマやイカの記録的大減産で厳しい状況が続いている。道内経済は緩やかな景気回復基調を示しているとはいえ、日銀による1月の地域経済報告では、公共投資や個人消費など5項目で判断を据え置く一方、生産は「横ばい圏内」から「弱めの動き」に引き下げた。さらに北海道は全国平均を上回るペースで人口減少に転じ、労働力、後継者不足、生産、消費の減少などの危機感も膨らむ。消費増税以降の消費の冷え込みも大きな心配材料だ。ちなみに、2020年道内の実質経済成長率見通しは、北洋銀行0.5%、北海道銀行0.3%と、ともに4年連続のプラス成長を見込んでいる。