東北流通特集

小売 2020.09.04

 収束の気配が見えないコロナ禍に耐えるところは耐えてといった新たな生活が始まっている。休校、テレワークが続き、日々の生活を支える食をあらためて見つめ直す機運が高まったといえよう。多発するわが国の自然災害時において何が売れるかは共有できていた。その経験則が通用しない事態に多くが戸惑い、商品が棚に並ばない状況を見せつけられた。隣には潤沢にあるパスタだが、売れ筋商品だけは欠品が続くという事態に少なからぬ平和も感じさせられるが。
 さて、年間最大イベントの祭りがことごとくなかった東北の経済損失は2634億円とある調査会社が弾き出した。最大の青森ねぶたは1227億円に及ぶ。観光業界のみならずその影響は計り知れないものがあるだろう。東北の小売業界も少なからぬダメージを受けている。キャッシュレスポイント還元に翻弄させられ、続くコロナ。異常が日常となってしまった今日をどう乗り切るか、東北小売最前線の声を聞いた。
 (東北支局長=三沢篤)