イヌリン、体内発酵・免疫力向上に重要

総合 2020.10.30

 腸内環境改善による健康効果の解明と啓発活動を行う「腸の奥からの健康を考える研究会」(座長:松井輝明帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科教授)は10月2日、オンラインセミナー「ニューノーマル時代のヨーグルト ビフィズス菌×イヌリンの体内(腸内)発酵がもたらす効果~体内(腸内)発酵のメカニズムと免疫への影響~」を開催した。
 セミナーでは座長の松井氏と、慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授でメタジェン代表取締役社長CEOの福田真嗣氏が登壇。松井氏は“発酵”が体内でも起こっていること(体内発酵)を分かりやすく解説しつつ、特に大腸内の発酵で作られる短鎖脂肪酸が免疫力向上に重要な役割を果たすと指摘した。福田氏は新型コロナウイルスに関する論文を取り上げ、腸内フローラは感染予防と密接な関係性があると強調。病原体などの感染を防ぐ免疫グロブリンA(IgA)を増やすには短鎖脂肪酸が大腸で作られることが重要とした上で、水溶性食物繊維のイヌリンをビフィズス菌と一緒に添加したヨーグルトが短鎖脂肪酸を有意に増やした実験結果を示した。(藤村顕太朗)