パン特集

小麦加工 2021.12.27
パン特集

 2021年の製パン業界は、原材料高騰への対応として、価格改定を決断、製パンメーカー各社は、22年1月から価格改定を実施する。一方、長引くコロナ禍は、新たな需要を創出。焼成冷凍パンのEC販売は、「自分へのごほうび」「贈答としてパン」などの情緒的な価値を付加し、生活者の新たなパンの購入シーンを開拓すると同時に全国のベーカリーのパンを自宅で楽しめるなど新たな楽しみ方も創出し好調に推移。冷凍パンは、SMなど既存の販売チェネルでも需要が増加。一部冷食に進出しているものの、基本的に常温の既存パン売場を中心に展開する大手製パンメーカーに刺激を与えた。さらに、日本全国にある大手から個店まであらゆる規模のパン屋がギフト券サービスに参加できる、日本初のパンギフトプラットフォーム「全国パン共通券」が始まったことで、「ギフトとしてのパン」という新たな需要創出が見え始めた。「マリトッツォ」という大型ヒット商品も誕生し、22年以降の成長の種が芽吹いた21年の製パン業界の1年を振り返る。(青柳英明)