北海道特集

総合 2022.05.28
北海道特集

 本紙北海道支局では、「2022北海道特集」で道内の食に関わる製造事業者・各エリアの製造カテゴリーを独自調査した結果、全事業者数は2731件となった。これらは、道内全産業の34%を占め、豊富な食材に6182億円の付加価値額をつけ、食料品製造出荷額2兆2090億円を生み出している。今後も道央、道南、北見・オホーツク、道北、釧路・根室、十勝の広域連携地域に対する期待は大きい。
 ウインターリゾートで世界的に有名となったニセコ、ワイン特区でワイナリー開業が相次ぐ余市は注目エリア。道内初となった「北のフルーツ王国よいちワイン特区」、2番目の「ニセコ町ワイン特区」を背景に小規模ワイナリーが続々と誕生している。本紙独自調査では同エリアでの酒類製造業構成比が17%と非常に高く、この特徴が新たなトレンドの方向性を示している。余市ワイナリー、NIKI Hills Winery、ニセコワイナリーをはじめ、ニッカウヰスキー、ニセコ蒸留所、積丹スピリット、二世古酒造など、ワイン、ウイスキー、スピリッツ、ビール、日本酒と酒類の町になり、山と海の幸、食肉(ジビエなど)とのマリアージュで沸き立つ新たな潮流になってきた。
 今年のゴールデンウイークは全国の観光地がにぎわいを取り戻した。函館・五稜郭は、星形城郭で国の特別史跡に指定された初の西洋式城塞だ。戊辰戦争最後の戦い・箱館戦争の舞台として知られ、蝦夷共和国の立国を掲げた幕末の激動はいまの世界情勢とも重なる。
 22年は、天候不順などで原材料費が上昇、エネルギー価格や物流費の高騰、円安を受けて相次ぐ値上げ、ロシア・ウクライナ紛争の影響、そして食糧不安に懸念が高まっている。いま日本の食を守る北海道Productの役割は大きい。(北海道支局長=高田真人)