11月11日。今日はチーズの日
11月11日はチーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会が制定したチーズの日。日本におけるチーズの元祖は「蘇」と呼ばれるもので、旧暦の10月に作られていた。チーズの日は、旧暦10月が現在の11月ごろに当たることから、覚えやすい11月11日に制定された。
一人あたりの年間消費量が1グラムだったチーズ
チーズの消費は昭和のはじめまで、大半が外国品でまかなわれた。料理用としてはオランダのエダム、スイスのグリエールチーズを一部の食料品店で切売り していた。洋酒、ビールのつまみとしてはグリエールのプロセスチーズ(6ポーション)が愛用された。ついでカナダのクラフトチーズも輸入されていた。
日本でチーズを生産した記録は、1921(大正10)年に始まる。 当時の国内生産量はわずかに8 tで、輸入44tを合わせても52 tであった。1925から1927年の国内での総消費量は63~68tで、1人当たりに換算すると年間1 gであった。
国内生産量は1930(昭和5)年に19t、1935年に104t、1940年に262tに達した。当時、国内市場にチーズを供給したのは北海道札幌市の出納牧場(アメリカ式酪農を学び、実践した牧場)とトラピスト修道院(北海道渡島当別)であった。また、アメリカ、カナダからチェダーチーズ、オランダからエダム、ゴー ダなどのチーズが輸入された。
1941(昭和16)年、太平洋戦争が始まるとともに、軍需品としてのカゼイン(木製飛行機製作用の接着剤)の生産や練乳、粉乳の増産のためチーズの生産は激減した。敗戦の年の1945(昭和20)年は87tにまで生産が落ち込んだ。 それから10年後の1955年には 1,209tと急激に生産が回復し、 日本の食生活になじみにくかったチーズも徐々に取り入れられていったことがうかがえる
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:林 弘通 ))