4月12日。今日はパンの記念日
4月12日はパン食普及協議会が制定したパンの記念日。1842年4月12日に、砲術の研究家である江川太郎左衛門が日本で初めてパンのようなものを焼いたことに由来する。
パンのはじまり
パンは人類にとってきわめて伝統的な食品であり、約6000年前のチグリスユーフラテス河畔では小麦粉粥を熱した石の上で焼いた無発酵パンが食べられていたと推察されている。このようなパンが中近東諸国では今日でも継承されている。
無発酵パンがいつ頃発酵パンに変化したのは定かではないが、古代エジプト時代の墳墓にある壁画には発酵パンの作り方が記されている。古代エジプトの発酵パンの製造法が、ギリシャを経て、紀元前200年頃にローマに伝わり、ベーカリービジネスが確立された。そして、ローマ時代以降、パンはヨーロッパ各地へ普及していった。パンの特徴は、各地で栽培される小麦あるいはライ麦の性状、環境条件、あるいは消費者の嗜好性等によって異なるようになり、各地固有のパン文化が発展し、現在に継承されている。
今日のパンの製造法は、本質的にはローマ時代と変わっていない。しかし、20世紀の工業時 代になってからは、機械化の進展、あるいは製パンに適した酵母の純粋培養の普及等によって、 製パンの合理化が進んでいる。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:一般社団法人日本パン技術研究所 井上好文))