外食最前線:高級グルメも続々参入 「専門店化」加速中!
【フカヒレ専門店 銀座七芳】定食に付く小鉢の例。「長イモのスペアリブ煮込み」「牛スジと大根の煮込み」「XO醤ザーサイ炒め」「うずら卵醤油煮」「キュウリ香味タレ付け」「厚揚げ豆腐の醤油煮込み」など、気が利いた小鉢料理が並ぶ
◆「のどぐろ」尽くし 多彩な料理を堪能
海鮮に合う焼酎が自慢の蔵元「中俣酒造」直営で飲食店を手掛けるザガットが、「のどぐろのおいしさを伝えたい」として、2015年に開業したのどぐろ料理にこだわる「のどぐろ専門 銀座中俣」。同社は中央区を中心に現在、のどぐろ専門店を4店舗、鮮魚料理店を3店舗展開しているが、今年6月に「銀座中俣」の最上級ブランド「極」をオープンし、グルメ通から注目を集めている。「極」では、のどぐろの中でも最高級といわれる希少な「紅瞳」を取り扱い、さまざまな料理に仕立てているのだ。
長崎県の上対馬の海でとれる紅瞳は他の地域でとれるのどぐろより身が厚く、外見が赤く光り輝いているのが特徴。のどぐろは大きいほど味がよいとされているが、紅瞳は一般的なのどぐろの約1.5倍の大きさ。エビやカニを食べて育つことから上品な甘味の脂と濃厚なうまみを持つ。
高級魚で知られるのどぐろは、他店では煮付けなどの一品料理や寿司ネタで使われることが多いが、同店ではお造りや職人の手によるレア状態のしゃぶしゃぶ、塩焼き、土鍋ご飯など多彩な調理で提供している。贅沢な海鮮を名物にする飲食店は数多くあるが「のどぐろ」に特化し、そのおいしさをさまざまな調理法で生かして提案する専門店というのはあまりなく、足を運んでみたいと思わせる魅力がある。高級食材に特化し、さまざまな“尽くし”料理を提供するタイプの専門店というのは今後増えていくのではないだろうか。
●店舗情報
「のどぐろ専門 銀座中俣 極(きわみ)」
経営=ザガット/店舗所在地=東京都中央区銀座6-3-12数寄屋ビル1階/営業時間=17時~23時。日祝休/席数=22席
◆「高級フカヒレ」をご飯と合わせた定食で
フカヒレは言わずと知れた中華料理の高級食材。この高級フカヒレをメインにメニュー展開しているのが、10月にオープンした「フカヒレ専門店銀座七芳」だ。
同店の看板メニューは「フカヒレでおなかいっぱいになる」ことを追求した「フカヒレスープ定食」。金華ハム、丸鶏、干し貝柱、豚骨などを8時間以上煮込んだフカヒレたっぷりの熱々スープにご飯と小鉢料理を合わせた、定食セットだ。
フカヒレというと、一品料理として味わう「フカヒレスープ」や「フカヒレの姿煮」が思い浮かぶだろう。しかし、同店では濃厚フカヒレスープを土鍋に入れ、ご飯と合わせて定食に仕立てている点が珍しい。フカヒレスープ&ご飯の定食は香港では実は定番のスタイルで、専門店も数多く並んでいるという。日本ではまだあまり広がっていないこの定食スタイルを看板メニューにしたというわけだ。
この贅沢な定食に付いてくる小鉢がまた魅力だ。冷菜や炒め物など手の込んだ数々の小鉢料理10種類から好きなものを選べ、さらにはどれもお代わり自由。10種類すべてを注文することも可能で、この小鉢だけでも十二分に楽しめるのだ。
同店では看板メニューの「フカヒレスープ定食」だけでなく、定番の中華冷菜から伊勢海老チリソース、酢豚、和牛青椒肉絲など、ワンランク上の王道中華料理まで幅広く揃えている。フカヒレスープを定食スタイルでいただく、というちょっとした珍しさと、“定食”と銘打ってはいるがグレードの高いフカヒレを使用しているギャップの面白さもあり、同店は今後大きな話題を呼びそうだ。
●店舗情報
「フカヒレ専門店 銀座七芳(ぎんざなのか)」
経営=FAVG DREAM COMPANY/店舗所在地=東京都中央区銀座7-8-15第2新橋会館6階/営業時間=11時30分~15時、17時~23時、土日祝11時30分~22時。無休/席数=40席