全国焼き肉繁盛店特集:蕨「太光苑」
京浜東北線の蕨駅、西川口駅周辺といえば、いわずと知れた焼き肉店のメッカで、チェーン店や大型店などがひしめくエリアだ。
創業二〇年の「太光苑」は、蕨駅から徒歩一分。昼は六〇〇円前後のセットメニュー中心、夜は肉に加えご飯や麺類なども豊富にそろえ、座席数六〇と決して規模は大きくないが、常に月商は一〇〇〇万円を超える。日々、周辺の焼き肉店が淘汰されていくなかにあって、驚異的な業績だ。
「秘けつですか? いや、何もないですよ。他店と勝負しているつもりもありませんし。うちは開店当時から何も変わっていないんですよ」と店長の宮祐一さん。言外に、変わらないことこそが強みなのだという自信がうかがえる。そして、変わらないものの筆頭にあげられるのが、絶対の自信があると宮さんが語る黒毛和牛だ。
肉は調理チーフの本島光さんが、毎日市場に出向いて目利きする。メーンは岩手の前沢牛だが、上質の肉がない日には、その時に手に入れられる最良の黒毛和牛を仕入れるという。
また、二〇年間変わらぬ味を誇る秘伝のたれも人気の秘けつ。醤油をベースに野菜や果実など一〇種類以上を調合したたれはコクがあり、黒毛和牛の味を一層引き立てる。
そんな太光苑だが、この6月に少し変化があった。火器をガスから備長炭へ、店内を女性一人でも入れるように明るくしたのだ。
「でも、もちろん肉やたれは何も変わっていませんよ」
○店舗メモ
◆「太光苑」(埼玉県蕨市塚越二‐一、中富ビル2F、048・443・8506)営業時間=午前11時30分~午後3時、5時~翌4時(平日)、年中無休/店主=本島勲/坪数・席数=三三坪・六〇席/客単価=昼九〇〇円、夜三〇〇〇円
○売れ筋メニューベスト3
〈一位〉特選骨付きカルビ(一八八〇円=厚みがあり三〇〇gとボリューム満点)
〈二位〉上カルビ(一四〇〇円=黒毛和牛のうまみが堪能できる)
〈三位〉漬物盛合せ(六五〇円=自家製のキムチ、オイキムチ、カクテキ)
○私の愛用食材:黒毛和牛のリブロース
自分の目で見極め、眼鏡にかなったものを毎日仕入れるというチーフ料理人の本島光さん。店主、本島勲さんの息子さんでもある。
黒毛和牛には徹底したこだわりを持つ本島さんだが、なかでもリブロースは、脂身と肉の赤身が見事に調和されたおすすめの部位だという。脂身から出る甘さもほど良い加減だとか。
「リブロースは厚く切れば切るほど、うまみが堪能できます。カルビよりもボリュームのあるリブロースは、イチ押しの肉です」














