デリバリーピザ店でクリスピーニーズに火がついた 各店アイテム化に拍車

1996.09.09 109号 2面

デリバリーピザ店でクリスピークラストの定番化が相次いでいる。ターゲットは従来のヘビークラストでつめなかったスナックニーズだ。既存アイテムの飽き離れに歯止めをかける狙いもある。展開チェーンによるとオーダー構成比は三~四割と予想以上の高い数字。クリスピー参入チェーンは増すばかりだ。大手チェーンはほぼ出そろった。過熱するクリスピー戦争は目が離せない。

「都心部では五割に達する店もある。平均四割ぐらいといったところか」。ドミノ・ピザのクリスピー構成比である。スタート時の目標二~三割を大きく上回った格好だ。ヘビークラストに飽きたユーザーからのリピートや、腹にたまるパン生地は嫌だった、という層からの新規オーダーは一年経っても増え続けている。ドミノ各店の前年同期比は一一〇%前後。クリスピー効果は高い。

「世間一般でクリスピーの認知度は二〇%」‐‐ピザーラのマーケティング調査の結果である。「クリスピーは意外に知られていない。啓蒙の余地は大きい」と浅野社長。7月からクリスピーをアイテム化した。「クリスピーには辛口とミート系がマッチ」を持論に、スタート時はクリスピーに対応するアイテムを限定した。だがトッピング優先のオーダー過多により、わずか一週間で限定は解除された。もくろみははずれたものの、クリスピーの潜在ニーズは確信した様子。ピザーラ既存店の前年同期比は一〇五~一一〇%。

ストロベリーコーンズのFCオーナーは笑顔。四角いクリスピーの大ヒットで対前年比は一二〇~一三〇%にも達しているからだ。方眼状のカットは小さめで食べやすく、つまみにピッタリの薄さ、サイズが包材一杯で円形より割安感がある、と評判はうなぎ上り。前年の低迷をけちらす勢いである。東京・目黒店ではクリスピーオーダーが七割を超えたという。

ピザ・カリフォルニアは7月からカマンベール・クリスピーのアンテナ展開に乗り出した。「他店の採用でFCオーナーからの要望が強い」からだ。超薄焼きのクリスピーは一三〇〇円。ワンアイテムのサテライトアイテムにも関わらず構成比は一〇~一五%。予想以上の出足である。

クリスピーの出足は各社好調。大手以外も総じて三~四割の実績をあげている。新規ニーズの発掘機運は高まるばかりだ。共通するポイントは、(1)腹にたまらないので他メニューも楽しめる(2)食事の合間(おやつ)に楽しめる(3)ヘビークラストに飽きた(4)クリスピーを知らなかった(5)ライト感覚でヘルシー(6)おつまみとしてアダルト層に受ける(7)クリスピーユーザーはクリスピー一辺倒でヘビークラストを受け付けない、などである。

TVCMはピザーラが始動。ピザカリも全国展開に合わせて予定。各チェーンの相乗効果もこれからが本番だ。

従来、デリバリーピザはデリバリーコストが重荷で高価格なため、メーン感覚が第一、ボリューム感なしには受け入れられないと見られていた。だが登場から一〇年、ユーザーの認識も変わった。ピザを好物とする小・中学生はデリバリーピザのヘビークラストしか知らない、という世代である。選択ニーズの現れはデリバリーピザの日常ニーズの現れでもある。クリスピーのアイテム化はヘビーユーザーをつかむ好機といえるだろう。

(8面にクリスピー研究、16面に各チェーンのクリスピーアイテムを掲載)

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら