心身の健康と美をテーマにした小瓶「ウェルネスショット」が英国で人気
肥満や糖尿病が問題視されるなか英国人の健康への関心は年々高まっている。ジュースの砂糖含有量が問題化し、政府が砂糖税を導入するほど深刻である。そこに、心身の健康を約束するかのごとく登場したのが「ウェルネスショット」である。人気の背景と商品を紹介する。
英国政府が2018年に砂糖税を導入
西洋の朝食といえばトーストにオレンジジュースだが、英国で販売されているジュースは砂糖含有量が多く肥満や虫歯の原因になるとして、数年前から問題視されている。英国政府は、2018年に砂糖税を導入し、英国歯科協会(British Dental Association)は、果汁100%のジュースを推奨し、飲み過ぎてはいけないとまで忠告している。そのため英国では伝統的タイプのジュースの消費量は減少傾向にある。
参照サイト:
Soft Drinks Industry Levy comes into effect GOV.UK(英語)
数年前に、野菜や果実で作ったスムージーが登場した。健康意識が高く好奇心旺盛な若者層に受け、ジュースの代替品として人気がある。それでも砂糖含有量の問題が避けられない。そのため、ジューサーを購入し料理本を見ながら低カロリーのスムージー作りに専念する英国人も見られる。
最近のトレンドはウェㇽネスショットである。エスプレッソやテキーラ用ショットグラスと同様にそのサイズは小さい。小瓶で飲み過ぎることはなくカロリーを抑えられる。小瓶に入ったジュースと言うこともできるが材料が違う。ショウガ、ターメリック、ビネガー、コショウなどが使用されている。
健康食品専門店やオンラインショップでは、さまざまな材料で作られた幅広い種類のショットが販売されている。今年に入って独自ブランドのショットを販売するスーパーも登場し、安価で手軽に手に入れられるようになってきている。
ムードやニーズに合わせて自由に楽しめる
ウェルネスショットは、基本的に心身の健康と美をテーマとしている。各ショットにはテーマがある。例えば、疲れていると感じたら「免疫を高める」をコンセプトとしたウェルネスショットを飲む。気分をキリッとさせたい、カフェインを控えたいという時には、ショウガの入ったショットを選ぶなどムードやニーズに合わせて自由に楽しめる。
ジンジャー・ショットの材料には、リンゴ、ショウガ、レモンが使用されている。そのうちショウガは25%を占めている。カロリーは35kcal/100ml。
ターメリック・ホット・ショットの材料は、リンゴ(65%)、オレンジ、レモン、ショウガ、ターメリック、ケイエンペッパーが使用されている。カロリーは41kcal/100ml。
ディフェンスの材料は、リンゴ、キュウリ、パイナップル、ホウレンソウ。カロリーは34kcal/100ml。
ウェルネスショットは味わい方も個人でアレンジできる。ストレートで飲んだり、水や湯で割って飲んだり、スムージーに加えたりと応用の幅が広い。(フードライター ラッド順子)