紅茶キノコをワインの代わりに飲む若者も 英国で人気の背景に健康志向
英国では、コンブチャ(Kombucha)と呼ばれる発酵飲料が人気を集めている(日本では紅茶キノコと言う)。アルコールを控えている若者や健康志向の人々に特に受けている。今回はコンブチャが人気の背景と商品を紹介する。
若者のアルコール離れが進む英国
1960年代に米国カリフォルニアで大ヒットしたコンブチャが、いま英国で流行している。発酵飲料であるコンブチャには、体に良いバクテリアが存在するといわれ、健康志向の人々の関心を集めている。健康意識の高い20~30代に特に人気がある。
現在、16~34歳の人口の約30%がアルコールを飲まないという英国では、レストランやパブで酒の代わりに楽しむ飲み物として需要が高い。近年、消費者は量よりも質を選ぶ傾向があり、味への期待が高い。
パーティーや会合で水やジュースを飲むよりも、もっと洗練された味わい深い飲み物を求めている。コンブチャは、こうした需要に合った飲み物として人気が高いというわけだ。
スーパーで人気のコンブチャ商品は
ここでは、英国のスーパーで入手できるコンブチャを紹介する。
レモネード・コンブチャ(No.1 Living)は元ラグビー選手のジョニー・ウィルキンソンが立ち上げたブランドである。
種類は、レモネード、コーラ、ラズベリーとザクロ、ジンジャー、パッションフルーツと幅広い。緑茶をベースとした有機栽培のコンブチャだ。軽い炭酸のすっきりとした味わいが特徴である。1本275mlで47カロリー前後。
パッションフルーツ・コンブチャ(Lo Bros Living Drink)は緑茶とウーロン茶を発酵して作った有機栽培のコンブチャである。パッションフルーツ味は、爽快な飲み心地だ。
この他に、アップル、ラズベリー&レモン、ジンジャー&レモンといった種類がある。人口甘味料を使わずに、有機栽培のキビ砂糖を使用しておりカロリーが低い。1本330mlで28カロリーである。
アップル・クリスプ・コンブチャ(Remedy)は緑茶と黒茶を発酵させて作ったコンブチャである。リンゴのキリっとした味わいが特徴だ。この他に、ラズベリー・レモネード味がある。いずれも砂糖を使わず、人口甘味料を使っているのでカロリーは抑えめである。1本250mlで25カロリー。
コンブチャと食事とのペアリングも可能
現在、英国では自宅のほかパブやレストラン、90軒以上のミシュランスター・レストランでもコンブチャが飲める。ワインと同様にフード・ペアリングが楽しめることでも人気がある。
コンブチャの製品を手掛けているReal Kombucha社は、食事とのペアリングを目的としたコンブチャ開発をしている。例えば、同ブランドの「ロイヤルフラッシュ」というコンブチャは、ダージリンティーを発酵して作られており、その豊かな香りとピーチ風味が魚料理によく合うといった具合いだ。(フードライター ラッド順子)